記載銘柄:日本製鉄 <5401>
日本製鉄が11/2(火)に2Q決算を発表しました。内容は好決算といえると思います。ただし、決算翌日は高く始まったものの大きめの陰線で終了して以降は下落基調となっています。ここから株価反発するのか?現状の株価、予想される業績が売り込まれるような水準なのか見ていきます。
決算良くても株価は下落
まずは決算内容についてです。
通期事業利益
・前回予想6,000億円から8,000億円に上方修正
2Q累計事業利益
・4,778.31億円と通期に対して進捗率59.7%
中間配当
・前回予想55円から70円へ上方修正
大きめの通期上方修正あり、現状の進捗率も良好です。過ぎたこととはいえ中間配当も予想より増額となっています。このような内容でも現状は株価下落基調です。以下、株価を見ていきます。
現状の株価
日本製鉄の日足です。テクニカルの指標としてMACD、RSI、モメンタムを示しています。
頼れる支持線で跳ね返る?
8月以降、株価は下げても1870〜1880円付近で跳ね返っており、ここが支持線になっているようです。11/2(火)の決算発表後に株価は下げていますが、ここでも1880円割れを2回トライするものの跳ね返しています。信用倍率が40以上と高いので好決算でも売り仕掛けされているように思いますが、2回目のトライでは出来高も少なくなっており、もう投げ売る人達が少なくなってきている様に見えます。
ということで、そろそろ反発に期待できそうに思うのですが、続いてテクニカル指標で現状を確認してみます。
テクニカル指標チェック
チャートに示したMACD、RSI、モメンタムについて見ていきます。各指標の買いシグナルは下記書籍を参考にしています。
MACD
買いシグナル:0ライン下でのゴールデンクロス(GC)
現状は0ライン下にいますが、ここからゴールデンクロス(GC)するか注目です。ヒストグラムは11/12(金)で0に近づいており、GCが期待できそうです。
RSI
買いシグナル:50を上抜く
50に向かって上がり始めていますので、ここから50上抜けるか注目しています。
モメンタム
買いシグナル:0を上抜く
0に向かって上がり始めていますので、週明けに0を上抜けるか注目です。
予想業績の水準は?
以下は2002年度(FY02)以降の半期ごとの事業利益と株価を示したグラフです。
図上部の事業利益の推移を見ると、21年度はリーマンショック前の04〜07年度に匹敵する水準です。次に図下部の株価を見ると、2004年から株価は徐々に上がり始めて2007年には9,000円まで上昇しています。対して現状株価は1937.5円です。業績に対する現状株価は割安のように見えます。
これは市場が好業績が一時的ではないかと慎重になっているのか、脱炭素のハードルが高そうなことを考慮しているのかもしれません。このあたりが見通せる状況になると株価上昇、という流れでしょうか。
また、先日、2024年満期ユーロ円CBの調整後転換価格が27,86.3円、2026年満期が2,919.6円と発表されましたが、会社側もこのくらいの時期にこのくらいの株価を超えるであろうと考えているようです。CBについては過去記事ご参照ください。
注目セクターについて
下記は最近読んだ本なのですが、米中覇権争いなど昨今の注目セクターについて、鉄鋼や半導体、脱炭素、EVなどについて解説があり投資のヒントになると感じましたのでご紹介します。エコノミストのエミン・ユルマズ氏の著書です。このような書籍を読むと自分が注目できるセクターが増えるように思います。
まとめ
・好決算と思える内容
業績の持続性をウォッチ継続
・株価は底堅いかも?
反転の兆しをテクニカルでチェック
今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。
※当ブログでは個別銘柄についての記載がありますが投資やその他の行動を勧誘、推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。