SUMCO好決算!来週決算の半導体銘柄もチェック!

記載銘柄:SUMCO <3436>、東京エレクトロン <8035>、フェローテックHLDGS <6890>

 

SUMCOが好決算

シリコンウェハ大手のSUMCOが、8/4(木)に2Q決算発表をおこないました。2Q実績、3Q予想ともコンセンサス以上、6月期の配当も増配という好決算といえる内容だと思います。決算発表資料や質疑応答の内容を見ていきます。

 

ウェハ需要は旺盛

決算発表資料にある300mmウェハの顧客推定在庫を見ると、まだまだ顧客在庫は減っていく状況にあります。ロジックと、市場関係者が気にしているメモリに分けてみると以下となっています。

ロジック
ウェハ投入量の6割しか顧客在庫がない

メモリ
ウェハ投入量より顧客在庫がやや多い

 

メモリ需要の影響は?

世間ではメモリ価格下落で半導体需要低減!とか騒がれていることもあるのか、会社側が丁寧に資料で説明しています。DRAM、NAND向けウェハ需要予測について、2022年3月での予想と2022年6月時点の予想が比較されています。結果としては、ウェハ需要の伸びはやや減少する内容に更新されました。会社側の説明内容は下記です。

DRAM
ウェハ需要-3%程度(3月予想比)
-5〜7万枚/年 (160万枚/年程度)

NAND
ウェハ需要-3%程度(3月予想比)
-5〜7万枚/年 (150万枚/年程度) 

ポリッシュトウェハは年間で10-15万枚の調整が起こり得るという内容です。

しかし、ウェハ需要が減速方向に修正された!と心配する必要はなさそうです。というのは、会社側から下記のような説明があったことによります。

 

圧倒的な供給能力不足

会社側の説明によると、SUMCOだけでもポリッシュ、エピ合わせて、2026年までに80万枚が供給不足の状況だそうです。これはウェハ生産設備能力が限定的で顧客需要に対応しきれていないことによります。シリコンウェハで競合する信越化学でも同じコメントがありました。

ynark.hatenablog.com

ダブルブッキングがありそうなことやSUMCOシェアから考えると、市場では2026年までに100万枚程度が足りないとのことです。

つまり、以前より需要減とはいえ元々が圧倒的に供給不足なので、ウェハ売上は落ちなさそうということです。

会社側は業績予想を3Qまで出しましたが、上記を踏まえると通期もなんとなく見えてきそうな気がしますので、続いては個人的予想ですが通期業績見通しを考えてみます。

 

通期業績どうなる?

ここからは、あくまで個人的な考えですが通期業績がどうなるのか考えてみます。まずはSUMCO発表の数字を見てみます。

売上は1,004~1,150億円と、1,000億円程度で安定しているように見えます。もっとも市場規模が大きい300mmウェハ が「供給能力を上回る需要」があるとのことなので、生産能力の限界が売上の限界になっている状況と推定します。この状況が続くと考えると、4Qも1,000億円以上の売上が立つのではないでしょうか。為替が115円だった1Qで1,004億円なので、ここまで円高になっても1,000億円くらいありそうな感じがします。

フル生産&売り切り状態が年内継続するならば、通期経常利益もIFISコンセンサスの936.6億円を越えてきそうに思います。

通期経常利益推定
※ 個人的な推定の数字です
509(2Q累計)+237(3Q)+237(4Q)
=983億円
IFISコンセンサス:936.6億円

上記は3Q、4Qが1$=115円だった1Q経常利益=237億円程度とした見積もりですが、それでも983億円とコンセンサス+5%となる計算です。3Q経常利益が会社予想通り270億円なら更に上振れることになります。

 

株価チャート

株価を日足で見てみます。決算を受けて出来高を伴って上昇、終値でボリンジャーバンド(25日)の+2σを越えました。ここから+2σ以上をキープしながら上昇できるか注目しています。

 

来週決算の半導体関連銘柄

これまでの決算を見ると、半導体需要は好調のようです。ファウンドリの投資拡大は、製造装置の需要を生みます。ということで、来週決算の半導体装置関連銘柄をチェックしておきます。

 

東京エレクトロン (決算発表 8/8)

日足を見ると、ここもボリンジャーバンド+2σを越えて終わっています。週明け8/8(月)に決算発表がありますので、それを受けての株価動向に注目です。既に決算発表を終えたSCREENは中期、通期でコンセンサス未達でも株価上げてきていますので、東京エレクトロンもそこそこの決算内容であっても好感されるのかな?なんて思っています。

 

フェローテック (決算発表 8/12)

前回決算で大きく上げてからジリジリと下げてきた印象です。最近は色々とありそうな中国に、新工場建設というのがどう評価されるのか気になるところもありますが、どうなるでしょうか。チャート的な妙味は乏そうですが、PER=6.78、PBR=0.86と指標的には割安かと思います。8/10(水)に米国7月CPIの発表がありますので、このあたりで株価が動いてチャートに妙味が出てくるのか注目したいところです。

 

今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。
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