記載銘柄:東京エレクトロン <8035>、信越化学 <4063>
米国7月CPIで安心感あり
8/10(水)に、米国の7月CPI(消費者物価指数)が発表されました。結果は総合、コア(食品・エネルギー除く)ともに市場予測を下回り、市場が抱いていた物価上昇懸念がひとまず落ち着いた状況です。利上げ圧力が和らいだということで、米国の株価指数は大きめの上昇となりました。
・ダウ平均: +1.63%
・S&P500: +2.13%
・NASDAQ: +2.89%
・SOX:+4.25%
現時点で日経平均CFDは+1.23%、28,162円と上げていますが、休日明けの8/12(金)まで株価上昇が持続てきるのかに注目しています。日本が休場のときだけ上がって、始まったら戻していた…という相場あるあるは今回は無ければ良いのですけど。8/12(金)はSQなので寄り付くまでは気が抜けないかもしれません。
日経平均の下げ要因になった銘柄が巻き戻す?
直近はソフトバンクグループ、東京エレクトロンがネガティブインパクトのある決算直後ということもあって大きく下げて、日経平均を下げた形になっていました。でも、「こういう見方をしたらネガ要因でなくむしろポジ要因だ」とか市場関係者に言われ始めて株価を戻すという展開もあるかも知れません。短期の値動きなんて理由はいくらでも後付けされるので。
特に、東京エレクトロンは1Q実績がイマイチでも内容見ると決算直後の株価反応ほど悪くないとか言われそうなポイントがありそうなので見てみます。
東京エレクトロン
1Q経常実績がコンセンサス-27.9%、進捗率16.4%というネガティブサプライズ決算でした。日足チャートも買い目線でみると厳しい印象で、スローストキャスティクス、モメンタムも売りシグナルといえそうです。ただし、決算説明会の資料や質疑応答を見ると下記とのことなので、ここから株価巻き戻し材料に使われるかもしれません。
・一部装置の出荷が2Qにずれ込み、
2Qと通期計画に変更なし
(1Q落ち込み分が2Qにずれ込む)
・既に2Q終わりまで1ヶ月半程度、
見通しの確度は高い
また、米国メモリ大手のマイクロン・テクノロジーが業績や設備投資額の下方修正を出しましたが、東京エレクトロンは1Q決算発表時にDRAM市場規模を前年比-5%と修正しています(5月の前回決算時は+15%見込み)。DRAM状況は会社計画に既に織り込み済みとなっていることが安心材料になるかもしれません。ただ、ロジック・ファウンドリ市場規模も+25%から+10〜20%と縮小修正しているのに通期計画変更なしというのは、今後の下方修正があるかも?という心配が残ります。
やはり決算みてからが無難
なんだかんだで、決算や今後の見通しをみてからトレードするのが無難かと思います。売り材料、買い材料を併せ持つよりも、どちらかに明確に傾いている方がやりやすいです。業績の数字は、前提としている想定為替レートがどうなっているか?もチェックしておくと良さそうに思います。米国利上げ圧力が和らぐと円高方向に振れることが考えられ、CPIを受けて1ドル135円から132円まで動きました。
例えば、本ブログで取り上げてきた信越化学の決算内容は下記となっています。
・1Q経常実績:コンセンサス+25.7%
・通期経常予想:コンセンサス+6.1%*
(*決算時。現在はコンセンサス上昇)
・自社株買い:2.2%相当
・増配:450円 (前年 +50円)
・想定為替:125円/ドル
為替レートを135円としているところもある中、125円というのも保守的で安心材料になりそうです。加えて、PER=10.79と割高感がないのも良いポイントだと個人的には考えています。
長期目線としてチャートを週足で見てみると、昨今の米国リセッション懸念と半導体需要減速懸念で株価は下がり、6月にはRSI=29.91をつけています。現在はというと、まだ週足が確定はしていませんがMACDが0ライン下でゴールデンクロス(GC)して買いシグナルが出ているようです。これまでに週足でRSIが30割れしたあとMACDがGCすると上昇が長めに続いた傾向があるので、同様の値動きとなるのか注目しています。
今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。
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