SUMCO、東京エレクトロンについて関連銘柄の決算内容から考える

SUMCO

SUMCOはシリコンウェハのメーカーです。SUMCOの決算発表は11/8(水)予定ですが、既にシリコンウェハで競合する信越化学の決算発表時のQ&Aが公表されていますので参考のためにそちらのコメントを見てみます。

シリコンウェハ市況
※信越化学決算発表 Q&Aより抜粋
・7-9月期が大底とみている
・10-12月期は多少の伸びを期待
・300mmウェハの顧客在庫は来年1-3月期がピークと予想
・顧客は24年後半から25年にかけての需要増大を見込んでいる様子

本格的に回復したという結果が出るのは来年1-3月期の決算発表くらいになりそうですが、ウェハ市況は既に底打ちして回復は近そうです。

これまでのSUMCOの決算発表資料を見ると、2023年6月時点での顧客在庫(推定)はかつてない多さとなっています。信越化学のコメントを参考にすると、顧客在庫はピークアウトが近いと考えられますが、SUMCOが決算発表でどのように示してくるのか注目したいと思います。

 

株価
2014年以降に約3年ごとに9-11月頃に急騰するサイクルが見られます。前回2020年11月は前月比+33.4%でした。今はそれから3年後となりますが、このサイクルが来るでしょうか?細かくみると3年1ヶ月サイクルなので次回は2023年12月…?

2014年9月:+47.8%(前月比)
2017年10月:+39.4%(前月比)
2020年11月:+33.4%(前月比)
2023年11〜12月:?

これまでも半導体前工程工場の新規建設、生産能力増強が急速に進んだとき、ウェハ不足で製品メーカーが入手できない、または高額になるということがありました。

現状は中国が設備投資に積極的で、メモリ向けの能力増強が見込めることからウェハ不足の再来はあり得ると思います。そして、それが株価に織り込まれていくサイクルは近いのかなと。長期目線でウェハ市況回復の織り込みを待つのも良いかなと考えています。

 

東京エレクトロン

コータ・デベロッパのシェアが特に高い前工程製造装置メーカーです。洗浄装置で競合するSCREENホールディングスの決算発表が10/31(火)にありましたので、参考に見ていきます。

SCREEN 2Q決算
・2Q経常: 会社予想比+27%
・通期経常: 上方修正(820億円→860億円)

米国ラムリサーチ(LRCX)もそうでしたが、前工程製造装置は好調な印象です。特に中国向けの伸びが大きくなっています。これを踏まえると東京エレクトロンも同様に好調かと推察します。

通期上方修正に期待?
東京エレクトロンは中間決算(2Q)で通期業績の見直しがされることがほとんどです。過去の2Q決算発表時の通期経常利益の修正履歴は下記となります。

前工程製造装置関連は中国向けやメモリ向けが好調となると、これらの売上比率がSCREENより高めの東京エレクトロンは、より好調になるかな?と考えており通期上方修正に期待したいと思います。なお配当は業績連動なので、通期上方修正があれば配当も上方修正が期待できます。

 

でも11月後半は警戒したい

11月11日〜17日開催のAPECで米中規制合戦の譲歩が見られるのか気になるところです。中国はマイクロン製品がセキュリティに問題あるとかで重要インフラに採用しないようするなど米国とやり合っていましたが、最近は融和姿勢を見せているとのことです。米国側も情勢不安なところへの支援が大変でしょうから中国とは一旦お休みというような、何らかの動きがないか注目しています。

後の11/22(水)早朝にはNVIDIAの決算発表がありますが、中国向け規制に緩和傾向が見られないと先行き不安視されそうです。

半導体関連の業績回復はこれからとの認識なので株価は1年程度先まで強気スタンスのつもりですが、短期的にはNVIDIA決算で半導体関連に波乱が起きる警戒はしておきたいと思います。下げを食らうより、上げを取りこぼす方が遥かにマシかなと。

 

今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。

 

※当ブログでは個別銘柄についての記載がある場合がありますが投資やその他の行動を勧誘、推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。