そろそろメモリ復活が意識される?メモリ向けが厳しかった銘柄をチェック

今回記事の概要

長らく続いたメモリ不況の回復が意識されそうな材料が出てきましたので、今回は「メモリ復活の恩恵が大きそうな半導体関連銘柄は?」という切り口で考えてみました。

 

マイクロンが好決算

米国のメモリ大手、マイクロン テクノロジー(MU)が12/21(木)早朝に決算発表した後に大幅高となりました。既にメモリ市況は底打ちしたとの見方はありましたが、アナリスト予想よりも回復が力強いとのことです。マイクロンのCEOは、2024年が業界にとって「回復の年」になり、25年には記録的水準に戻るとコメントしています。

下図は四半期ごとの売上グラフですが、今回24年1Q売上実績と2Q予想から回復基調であることがわかります。「25年は記録的水準に戻る」というのを過去最高売上の86.4億ドルあたりまで見込めると解釈すると、まだまだ伸びしろがありそうです。約4年周期のシリコンサイクルから考えてもリアリティありそうに思います。

 

半導体関連株はまだ伸びそう?

半導体関連株は不況回復を先取りして昨年10月頃をボトムとして上昇してきましたが、以前に書いた記事にあるように、過去のシリコンサイクルとSOX指数の関係を見るとSOX指数の上昇は2年半程度の持続性があり、それを踏まえると来年も上昇できるように思います。

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株価下落を警戒するのは、過去最高売上となるであろう2025年あたりでしょうか?(半導体関連株は業績ピークアウトで下がり始める傾向あるので)

 

メモリ不況で業績低迷した銘柄を狙ってみる

メモリ不況回復が見えてきたので、これまでメモリ向けでヤラれていた分野・銘柄の株価回復を狙いたいと考えてリストアップしてみました。既に株価が上がっている銘柄もありますが、先にシリコンサイクルとSOX指数の関係で述べたように2024年も半導体関連は上昇するのでは?という考えに基づいてのピックアップです。

前工程製造装置
・東京エレクトロン

ウェハメーカー
・SUMCO
・信越化学

ウェハ加工
・三益半導体

テスター
・アドバンテスト

以下では銘柄ごとにチェックしていきます。

 

東京エレクトロン

前工程製造装置メーカーで、比較的にメモリ向けが多いところです。前工程製造装置の銘柄としてSCREENホールディングスもありますが、こちらは比較的にメモリ少なめでファウンドリ多めなこともあり、2023年のメモリ不況をモロに食らったような印象ではありませんでした。それもあってSCREENの株価は絶好調で年初来+173.17%となっています(東京エレクトロンは年初来+92.19%)。

メモリ向けが回復、TSMCなどのファウンドリ向けが低調となるなら、ここからは東京エレクトロンのパフォーマンスが高まるかな?と考えました。東京エレクトロンは高性能メモリのHBM向けウェハーボンダーが好調と決算説明会でコメントしていることも好材料と思います。

株価位置
下図は日足で、昨年安値からの線形回帰±2σと下段にRSIを示しています。線形回帰の相関係数=0.94と日にちと株価に非常に強い関係があり、上昇トレンドと言えそうです。RSIは62と高めイメージですが買われ過ぎ水準の70より下です。安値圏という訳ではないのですが、上昇トレンド継続に期待しています。

 

SUMCO

シリコンウェハメーカーです。主力となる300mmシリコンウェハ市場の6割はメモリ向けであり、メモリ不況のダメージは大きいと考えます。決算資料を見ると23年9月からメモリ向けウェハの顧客在庫(予想)は減少傾向になりました。決算発表資料では「シリコンウェーハ需要は2024年後半からの回復を予想」としていますので、あとは株価がどの程度先取りするか次第かと考えています。半年先取りするなら、そろそろなんですが。

なおウェハ需要はメモリ回復というだけでなく、チップレット化や積層化で増えるという期待もあり、SUMCOの決算発表資料に説明が記載されています。

株価位置
日足で昨年安値からの線形回帰±2σ、RSIを見てみます。線形回帰の相関係数=0.54とさほど強い相関は見られていません。RSI=54であり特に高値感はなさそうです。

月足を見ると3〜4年程度に一度出るMACDの買いシグナル(MacdLE +2)が出ており、長期目線で上昇期待しています。

 

信越化学

シリコンウェハを手がけますが、米国住宅向け塩ビを主力とする総合化学メーカーです。シリコンウェハについては前述のSUMCO同様で、信越化学も「2024年後半から回復期待」とコメントしています。シリコンウェハ以外にも、下記方面での回復があるなら強めに伸びそうに思います。
・米国金利低下による住宅市況回復
・化学セクターの回復

株価位置
下図は日足で、昨年安値からの線形回帰±2σと下段にRSIを示しています。線形回帰+2σ以上、RSIは買われ過ぎ水準の70超えとなっており高値感はあります。ここから株価は一休みあるかもしれませんが、長期的な上昇トレンド継続に期待したいと思います。

 

三益半導体

信越化学からウェハ加工研磨を受託しています。再生ウェハで世界シェアトップですが、メモリ不況により主力の新品ウェハで苦戦していた様子です。

12/26(火)に2Q決算発表予定です。信越化学グループなので堅い内容になりそうな気はしますが、ウェハ市況が回復となれば通期上振れ着地が期待できるかもしれません。

株価位置
前回記事のように25日75日移動平均線を見ると、ゴールデンクロスしたままです。現状株価は高値感はさほど無さそうですが、値が飛びやすい年末という時期に、控えめな決算内容で株価反応が下というならチャンスかな?と思っています。上がるのに越したことはないですけど。

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アドバンテスト

半導体テスター市場の7割を占めるSoCテスターは車載、産業、高性能向け需要が既に回復傾向のようですが、残り3割のメモリテスターは7-9月期決算の時点では回復は見えていないようです。AIサーバーの成長でSoCテスターと共にメモリテスターが伸びるなら、業績回復が期待できそうに思います。

株価位置
日足で昨年安値からの線形回帰±2σ、RSIを見てみます。株価は線形回帰より下で、RSI=57.79と高値感はさほどなさそうで、上昇トレンドの継続に期待しています。

今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。

※当ブログでは個別銘柄などについての記載がある場合がありますが投資やその他の行動を勧誘、推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。