DRAMとNAND需要回復で、シリコンウェハ関連の需要にも期待?

メモリ回復が見えてきた?

AI サーバ需要によってDRAM需要回復が見えてきそうに思います。DRAM需要回復は本ブログでも言及してきましたが、NANDも需要回復がうかがえるニュースがいくつかありました。TrendForceによると、DRAM、NANDともに価格は前四半期比で下記のように上がっているようです。

・DRAM:+20%程度
・NAND:+20〜28%

300mmシリコンウェハは60%程度がメモリ向けです。昨今のメモリ大不況でウェハ需要が大きく低迷していました。つまり、メモリ需要が回復するときシリコンウェハ需要も回復する…と考えてウェハ関連銘柄をチェックしていきたいと思います。

 

SUMCO

シリコンウェハのシェアで世界2位となるメーカーです。シリコンサイクルとの関係で、これまで3年ちょっとのサイクルで急騰してきました。そうすると2023年12月から…?かと思っていましたが、今回は1ヶ月でドカッと上げるのではなくジワジワ上がる感じでしょうか。月足は以下のようになっています。

下記は、SUMCO株価がこれまでは3年1ヶ月サイクルで急騰した話についての過去記事です。

ynark.hatenablog.com

また、日足を見ると25日75日200日移動平均線は上向きで上昇トレンドと考えます。75日移動平均線がサポートしている印象です。

 

信越化学

政策保有株の解消で売られている?
信越化学はシリコンウェハのシェア世界1位の総合化学メーカーです。最近は株価が下がり気味となっています。3月初めに、損保各社が政策保有株を全て売却するという記事がでました。損保各社が公表した政策保有株(2023年3月末時点)を見ると、信越化学の保有額順位が高いことがわかります。もう売り切ったのか、まだ売っているのかわかりませんが、これも意識されての値動きでしょうか。

あいおいニッセイ
 保有額1位:信越化学

損保ジャパン
 保有額1位:信越化学

東京海上
 保有額5位:信越化学

日足を見ると、まずは75日移動平均線付近で反発できるか?というのに注目しています。

信越化学の業績について
次に信越化学の業績についてです。24年3月期は減収減益となるでしょうが、経常利益の3Q進捗率=81.0%と良好であることから会社予想は達成できるかと思っています。あとはコンセンサスに対してどうか?とその後の質疑応答の内容次第でしょうか。以下では、前回決算発表(3Q)での質疑応答の内容を一部抜粋・省略でおさらいしてみます。

 

3Q決算説明 質疑応答(抜粋)

アメリカ国内の塩ビの価格、需要動向について
1月の出だしは大変良く、春需も感じられます。

半導体ウエハーの 4Q(1-3月)の見通しについて
半導体デバイス市場は 300mm関連で復調の兆し。お客さまの 300mm ウエハー投入量は上向きつつありますが、ウエハー在庫を多く保有。在庫調整の度合いにより 1-3 月の300mm ウエハー需要は見通しづらい状況。

キャッシュの使い方と株主還元について
現金が積み上がっていることは十分認識しており、ここ2-3年で自己株の買い取りも実施しました。更なる自己株買い取りも検討しています。

配当については、長期に安定的にということと配当性向は 35%を目途にということを前々から申し上げてきました。方向性は変わりませんが、色々と考えを巡らせていまして、 まとまったところでお話しできればと思っています。

質疑応答の抜粋は以上です。

4/25(木)予定の本決算では、これまで通りなら今期予想や配当予想は出ないと考えます(通例では1Q決算発表時に出てくる)。ただし、自社株買いについては、上記コメント「更なる自己株買い取りも検討」というので期待できそうにも思います。

 

信越化学はキャッシュリッチ

信越化学は上場企業でのネットキャッシュ額:2位、現預金額:1位(1兆4千億円)というキャッシュリッチ企業です。なんなら上場子会社やグループ会社を100%子会社化するためのTOBとかしてくれても良いと思いますが…信越ポリマーとか、以前は「親子上場解消期待銘柄」として良く見ましたが、最近は親子上場も問題視されていないのでしょうか。

まぁ、100%子会社化TOBを目当てにして子会社、グループ会社の株を持つのは期待しすぎな感じがしますが…そういった狙いではなく、ウェハ関連として以下では信越ポリマー(信越化学が52%保有)三益半導体(信越化学が38.6%保有)を見てみます。

 

信越ポリマー

ウェハ容器がメインの信越化学の子会社(信越化学が52%保有)です。

株価は前回の3Q決算発表から冴えません。200日移動平均線は上向きですが、株価は200日移動平均線にかなり近づきました。ここをサポートとして上昇できるのか注目しています。4/5(金)の日本市場は地合いは相当悪かったのですが、そんな中でも株価は-0.13%でしたので底堅いようにも思いましたが週明けからどうなるでしょうか。なお、本決算は信越化学の前日になることがほとんどなので、4/24(水)かと思います(信越化学はwebで4/25発表予定と記載あり)。

 

 

三益半導体

信越化学からウェハ加工研磨を受ける、信越化学のグループ会社(信越化学が38.6%保有)です。株価は前回決算から下落傾向にあり、200日移動平均線を割り込みました。ここも地合いの悪かった4/5(金)に株価-0.55%と、比較的に底堅いかな?と思いました。週明けにまずは200日移動平均線まで回復できるか注目しています。

 

半導体関連でも割高感がない銘柄が?

半導体関連は割高感が警戒されているようですが、信越ポリマーや三益半導体はPER、PBRを見ると割高感はあまりないように思います(なお、個人的には割高感が警戒されている半導体製造装置関連もまだ伸びると考えていますが)。

信越ポリマー
・PER=14.94
・PBR=1.10

三益半導体
・PER=13.20
・PBR=1.15

シリコンウェハ需要は2024年後半くらいから回復という見方が多そうなので、1-3月の決算はまだ厳しい結果になるかもしれません。数字で回復が確認できるのは4-6月かそれ以降かもしれませんが。ただし、回復傾向というのが市場コンセンサスになったら、いつから株価に織り込みが始まるのかがポイントになりそうです。SUMCOの株価とか見るとそろそろ近いような気もするのですが、どうなるでしょうか…。

 

今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。

 

※当ブログでは個別銘柄などについての記載がある場合がありますが投資やその他の行動を勧誘、推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。