三益半導体、減益だけど思ったより…?将来的なウェハ需要に期待?

三益半導体工業 3Q決算

3/29(金)、三益半導体工業の3Q決算発表がありました。ここは信越化学のウェハ研磨加工を手がける信越化学グループの会社です。また、再生ウェハ(モニターウェハ、ダミーウェハといったテストウェハを再利用できるようにしたもの)も手掛けています。以下、決算発表の内容を見ていきます。

 

決算短信を読むと…

新品ウェハは顧客在庫がまだあり需要は厳しそうです。

対して産商事業部は増収増益でした。半導体関連各社の設備投資が堅調だったそうです。

総じて3Q経常利益はIFISコンセンサスを10%上回っており、通期会社予想の経常利益達成は堅そうに見えます。また通期IFISコンセンサスに対する進捗率も83%と高めだと思います。

経常利益 [¥M]
1Q: 3,071
2Q: 6,713
3Q: 9,057
      (IFISコンセンサス: 8,200)
4Q会社予想: 1,0150
      (IFISコンセンサス: 10,900)

 

目先について思うこと

新品ウェハ需要はまだ回復していないとはいえ、各地で新工場が建設されていることを考えると将来的な需要回復は堅く、それがいつになるのか?だけが問題かと思います。

例えば、話題のHBMは歩留(良品率)が低そうなので良品数確保のために大量にウェハ投入されるかな?という期待もあります。HBMのように付加価値の高い製品なら歩留低くてもバンバン作るでしょうから。もしかしたら5年くらい前のウェハ不足の再来があるかもしれません。

再生ウェハ需要は、新品ウェハに先行して高まるかもしれません。これらは通常の製造ライン稼働に加えて新規装置や新プロセスの立ち上げでも使われるので、新工場の稼働開始によって需要が増えると考えます。

 

株価指標など

PER、PBRとも特に割高感はなさそうで、信用倍率も高すぎという感じはないかと思います。

・PER=14.14
・PBR=1.26
・信用倍率=4.97

 

PTSでは株価下落

決算発表後のPTSでは、株価3,047円(-3.42%)と下落しました。「営業利益3Q: -5.7%、通期: -7.7%予想」という結果なので、ネガティブイメージといった感じでしょうか。

これが「3Qコンセンサスに対して+10%、通期コンセンサスに対して進捗率83%→上振れ期待」というポジティブな視点で見られる展開が来るのか注目しています。

 

株価位置

3/29(金)時点では下記のように良さそうなポイントがあります。週明けも下記をキープできるか注目しています。

・株価が25日移動平均線より上
・75日移動平均線が上向き
・MACDが0ライン下でGC
    (ゴールデンクロス)

 

目先下げても来期は回復?

DRAM大口取引価格はやっと上昇してきたところで、半導体需要回復はこれからと考えています。半導体製造装置関連は既に大きく値を上げましたが、SEMI予想によれば2024年はまだ設備投資は限定的で2025年に更に伸びる見込みです。まだ半導体関連株は上値余地あるかと思っています。

三益半導体についても同様で、来期(2025年5月期)は業績回復見込みと考えます。

 

いつか大きく下落する宿命だが…

高値警戒されている半導体関連株ですが、いつかは大きな下落があるとは考えています。

歩留低くても製品需要あって高値で売れる製品だからと、設備投資で生産能力上げて大量にウェハ投入…というのから

歩留改善するも製品需要低下して工場稼働率が急低下、設備償却費が製品原価に乗り過ぎて粗利率激減…というサイクルで半導体関連株が大きく下落するのは宿命的と考えます。ですが、それはまだ年単位で早いかなと。

イメージ的には「半導体は業績絶好調!だから株価はまだ割安!」と言われる頃に下落がはじまる気がします。今は「半導体は高値!株価は数年先の利益まで織り込み済み!下落警戒!」と言われがちなので、逆にまだまだかな?なんて。

 

今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。

 

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