記載銘柄:SUMCO <3436>、信越化学 <4063>、東京応化工業 <4186>
前回記事で注目していたSUMCOの3Q決算発表がありました。既に決算発表があった信越化学も好決算でしたが、SUMCOも3Q、通期経常利益共にコンセンサスを上回る好決算でした。なお、半導体部材関連銘柄として、フォトレジストのシェアが高い東京応化は来週の11/11(木)に決算を控えます。今回の記事ではSUMCOの決算内容と、これら注目銘柄の株価位置を確認しておきます。
SUMCO 3Q決算内容
まずは決算の数字を確認してみます。
⭕️ 3Q累計経常利益:351.8億円
IFISコンセンサス+6.9%
⭕️ 通期経常利益:476億円
IFISコンセンサス+4.6%
3Q累計、通期ともにコンセンサス以上となっています。
3Qの経常利益を先四半期(2Q)、前年同期と比較すると下記のように大きく伸びており、昨今の半導体需要の強さがうかがえます。
・前年同期比:2.4倍
・2Q比:+23.8%
市場環境
決算説明会資料に下記内容のコメントがあり、需要は相当強い様子です。
2021年3Q実績
☑️数量
・300mm:供給が需要に追い付かない
・200mm以下:需給逼迫
☑️ 価格
・既存の長契価格は守られている
・スポット価格は300mm、200mm以下とも値上げ浸透
2021年4Q予想
☑️数量
・300mm:増量要請に応えられない
・200mm以下:供給が追い付かない状況が継続
☑️価格
・既存の長契価格は守られている
・スポット価格は値上げ継続
市場予測
決算説明会資料にも記載があるのですが、現状はTSMCを筆頭に半導体企業の設備投資が活況です。今より生産能力が増えるということは、生産ラインに流れるシリコンウェハも多くなります。シリコンウェハの売上はむしろこれから伸びるように思います。
株価位置
日足チャートです。前回記事同様にMACD、RSI、モメンタムを示しています。
買いシグナル(下記書籍を参考)が出ており、株価もWボトムのように見えて高値感はなさそうです。決算を受けての上昇するか注目したいと思います。
○ MACD:0ライン下でGC
○ RSI:50上抜き
○ モメンタム:0ライン上抜き
信越化学
シリコンウェハといえば国内では信越化学かSUMCOです。ただし、信越化学は総合化学メーカーでシリコンウェハ以外にも多くの製品を手掛けています。7-9月期の決算は10/27(水)に発表済みで、なんといっても塩ビが絶好調という内容でしたが、電子材料セグメント(半導体部材を含む)も良好な結果でした。株価は決算簿に上げて、現状はやや揉んでいる状況です。
決算短信では電子材料セグメントについて下記のようなコメントがありました。
「半導体シリコン、フォトレジスト、マスクブランクス等の半導体材料を最大限出荷しました。」
これを手がかりに関連銘柄をピックアップ、注目しておくのも面白いと思います。
✅フォトレジスト関連
・東京応化
・JSR
✅マスクブランクス関連
・HOYA
・AGC
業界地図を見ると、このような関連銘柄を見つけることができます。
なお、HOYA、AGCともに好決算でした。決算発表直後はいわゆる決算プレイで株価下がりましたが、現状は決算前より株価上がっています。特にHOYAはザラ場での決算発表で、なかなかの振り落としっぷりでした。
HOYA 2Q経常コンセンサス+3.3%だけど、まずは株価は下。リバるのかな?
— YN-ARK (@merry_oss) 2021年10月28日
以下では、フォトレジストのシェア首位級の東京応化の株価を見てみます。
東京応化
フォトレジストのシェアが高いところといえば東京応化です。EUV用なども手掛けます。ここの決算発表は11/11(木)と来週です。半導体部材が好調と考えると決算内容にも期待できそうに思います。
前回記事で注目したところから株価上がっていますが、直近安値から高値までの半値戻し程度という感じでしょうか。高値圏という状況でもないように思いますが引き続き注目していきたいと考えています。
今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。
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