決算振り返り!アドバンテスト急落は2020年同様のガイダンスリスク?

記載銘柄:アドバンテスト、TER、信越化学、信越ポリマー、新光電気、KLAC、JSR、INTC

 

注目銘柄の決算振り返り

まずは前回記事で注目していた銘柄の決算直前から現在までの値動きを確認します。結果を下表に示しますが(米国株はドル表記)、各銘柄を同額持つと+0.05%という微益というかほぼプラマイゼロの結果でした。ここから前回記事で書いた下記を実行しているところです。

「手広く控えめに買っておいて上げたら売却、下げたら買い増して上昇を待つ」
「ただ5月は株価下がるイメージがあるので、買うにしても5月末くらいになりそう」

買いは5月末くらいを予定していましたが、下げが過剰反応かな?と思ったところは買い始めておきました。

ynark.hatenablog.com

以下、個別に決算概要を見ていきます。

 

アドバンテスト

今期見通しがかなり弱気で決算後に大きく下げました。通期の税引き前利益は前年比-39.6%を見込み、コンセンサスを大きく下回っています。ただ、これはアドバンテストにありがちな保守的ガイダンスのような気がします。決算説明会では「ボトムアウト時期もはっきり見えていない中でのベストゲス」、「今後 1-2 四半期程度で状況を見極めた上で、アップデートできればと考えている」とコメントしています。不透明感があるときの保守的ガイダンスというと、下記のコロナショック真っ只中の2020年7月30日の21年3月期1Q決算発表を思い出します。

21年3月期 税引き前利益 通期見通しの変化
1Q発表時:-24.2%
2Q発表時:-13.1% (上方修正)
3Q発表時:+9.3% (上方修正)
4Q実績:+18.9% (上振れ着地)

前年比-24.2%から四半期ごとに上方修正して着地は+18.9%でした。まずは控えめな数字を出して修正していくスタイルです。株価は1Q発表後にストップ安して5,700円、8〜9月と季節的に安い時期を経た後、4Q発表翌日は10,520円でした。

今回はストップ安にならずに2日連続で日足下ヒゲとなっていますが、株価回復していくのか注目しています。

下記はアドバンテストにポジティブに思うのですが、このあたりを材料に見直されてくるのか長めの時間軸で注目しています。

・TSMC設備投資に減額なし
・前工程装置関連は決算後に上昇傾向
・テスターは中国規制影響ほぼなし
・競合テラダイン (TER)は、2Q(4-6月)売上が1Qより増える見込み

 

テラダイン (米国 TER)

続いてアドバンテストに競合する米国のテラダイン です。こちらは保守的なアドバンテストと対照的に1Q(1-3月)より2Q(4-6月)の方が売上、EPSとも高いというガイダンスです。

1Q売上実績:$618M
2Q売上見通し:$625M〜$685M

1Q EPS実績:$0.55
2Q EPS見通し:$0.55〜$0.74

それでも株価は下がりました。先に決算発表があったアドバンテストの影響があったのでしょうか?昨日の日足はほぼ高値引け、週明けに続伸したらRSIが30割れからの上抜けで良い感じになりそうです。

 

信越化学

2023年3月期の本決算はコンセンサスにわずかに届かずという内容でしたが、会社予想をわずかに上回る結果でした。例年通りに本決算時は通期見通しが出ていませんが、これが嫌気されているのか大きめに下げました。前日の信越ポリマーも例年は本決算で通期見通し出さないのですが、今年は本決算時に通期見通し出してきたので、私もちょっと期待していましたけど…。今期の経常利益はコンセンサスでは減益のようですが、信越ポリマーの通期見通しはわずかながら増益なので1Q決算時の通期見通しに期待しています。

 

信越ポリマー

信越化学の子会社です。ウェハ容器が主力で、塩ビ建材なども手掛けます。めずらしくこのタイミングで発表された通期見通しは経常利益+0.1%と増益でした。コンセンサスはもっと上のようで株価は大幅下落していますが、この市況で増益なら個人的には問題ないように思いますが、どうなんでしょう。

 

新光電気工業

半導体パッケージの大手で、インテル関連として知られています。新光電気の今期ガイダンスは経常利益-55.6%、コンセンサス以下のようですが株価は大幅高でした。これは決算内容というより、日本市場が始まる前にあったインテルの決算内容に反応したと考えています。ここと同様にインテル関連とされるイビデンも+8.13%と大幅高でしたので。言ってみればインテルのツレ高なので持続性があるのか気になります。

 

KLA (米国 KLAC)

半導体製造時に使うウェハ 上の異物検査装置などの米国の大手装置メーカーです。3Q実績、4Q見通しともコンセンサスより上となり、+8.17%と大幅高となりました。

ラム・リサーチ(LRCX)も決算後から株価を上げていますが、前工程(ウェハ 製造工程)装置は中国規制の影響などでコンセンサスが低くなり過ぎているのでしょうか?TSMCは設備投資額を減額しないとコメントしているので、前工程製造装置関連は意外と強いのかもしれません。となると、前工程製造装置で使う部材(シリコンウェハ 、レジスト、エッチングガスなど)、続いての後工程(パッケージング、テスティングなど)部材や装置も、事前予想ほど弱くないのでは?と思いますが。

 

JSR

東京応化とともにレジストの大手です。決算発表翌日、ザラ場ではかなり上がる場面もありました。今期調子良いと見込むのはライフサイエンス事業で、デジタルソリューション事業(主に半導体部材)は伸びると想定していないようです。半導体関連は下期から2024年にかけての上昇を見込むとのことでした。他のレジスト関連(東京応化など)も控えめなガイダンスになりそうで気になります。

 

インテル (米国 INTC)

2Q(4-6月期)の損益ガイダンスはコンセンサス以下のようですが、PC出荷台数の見通しが強気とのことで株価は大幅高です。新型コロナ特需から3年経過しているので、そろそろ買い替え需要一服どころか次の買い替えサイクルが来そうな気もします。

私はコロナショック前にPC買いましたが、そろそろ新しいの欲しいんですよね。買うのはIntelのCPUじゃないかもしれませんけど…。と、消費者目線で考えるとPC需要回復はリアリティありそうにも思います。

 

今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。

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