半導体関連は良い兆し?決算振り返りと今後について考えた

半導体関連の決算対応と振り返り

11月第2週を過ぎて決算発表もかなりの数が出揃いました。半導体関連株と一言で表しても、それぞれが担う工程は様々です。半導体市況が変化(回復、悪化)するタイミングでは工程ごとに業績の濃淡が出ると考えて「各工程で先行したところの決算内容を参考に、後続で期待できそうな銘柄を厚めに狙う」という作戦で決算に臨みました。

 

前工程製造装置
ラムリサーチ → SCREEN
→ 東京エレクトロン

シリコンウェハ
信越化学 → SUMCO 

SUMCOと東京エレクトロンについて、決算前に考えた記事は下記です。およそ想定通りの決算内容でした。

・SUMCO
 想定:顧客在庫のピークアウトは近いかも?
 結果:300mmウェハ顧客在庫は9月から減少に転じている

・東京エレクトロン
 想定:通期上方修正、増配
 結果:通期上方修正、中間配当増配

ynark.hatenablog.com

 

テスター
テラダイン → アドバンテスト

アドバンテストについて決算前に考えた記事です。懸念していた通りに通期下方修正となりました。株価は決算後に急落してから激リバ中ですが…。

・アドバンテスト
 想定:テラダイン決算などから、通期下方修正を懸念
 結果:通期下方修正

ynark.hatenablog.com

 

後工程
三井ハイテック → 新光電気、イビデン

パッケージのリードフレームなどを手がける三井ハイテックの決算発表資料コメント「下期に半導体市況の回復を想定していたが見込めず」と、想定以上に厳しそうとの印象だったのでパッケージ関連は今回は回避しておきました。

・新光電気
 想定:三井ハイテック決算より下方修正を懸念
 結果:通期売上のみ下方修正

・イビデン
 想定:三井ハイテック決算より下方修正を懸念
 結果:通期下方修正

決算内容振り返りと今後について

前工程製造装置は強そう
ラムリサーチ(LRCX)の実績、ガイダンスは予想以上、SCREENと東京エレクトロンも通期上方修正ありました。前工程製造装置の市況は既に売上は底打ちして回復が見えています。

SCREENはメモリ向けが比較的少ないということもあって昨今のメモリ不況影響が少なく、株価は早めに持ち直していたというのもありますが、株価は決算発表後に急騰しています。

下図は週足で、移動平均線は13週、26週、52週を示しています。なお移動平均線は上向きか下向きかで色を変えています。下段にはMACDを示しています(以降のチャートは同様内容での表示です)。

東京エレクトロンは週明けが決算後の初日となりますが、SCREEN同様に上がっていけるのか注目しています。まずは上場来高値23,055円を超えてホルダーほぼ全員が含み益という展開になれるでしょうか?

米国の最大手、アプライド・マテリアルズ(AMAT)決算発表は11/17(金)早朝にあります。他社業績からはここも底打ち、回復となりそうです。ただ、ドル円レートの問題があるので新規に円をドルにして買うのはやめておこうと考えています。急に円高になったらツラいので。

 

前工程材料はこれから
シリコンウェハの顧客在庫はピークアウトしそうだが在庫調整には時間が掛かり、本格的な需要回復は「2024年後半から2025年」になりそうというのが信越化学とSUMCOの認識のようです。

株価がどのくらい先行して業績を織り込むかというのはわかりませんが、あと半年ちょっとでウェハ需要が回復するなら織り込むタイミングは近いように思います。なんにせよ、前工程製造装置が手配されている現状からは世界的に生産能力が上がりウェハ需要が高まるのは必然と考えます。

信越化学は決算受けて上げています。塩ビを主力にした総合化学メーカーなのでウェハ業績だけに左右されるわけでは無いですが、SUMCOもこの上昇の流れに乗れるでしょうか?

SUMCOの週足チャートを見ると13週、26週移動平均線が上向き、52週移動平均線は後6、7週(12月末頃)で低い数値が計算から外れて上向きになりそうです。このあたりで前回記事で書いたの約3年サイクルでの高値が来るのか気になります。

↓前回記事より再掲。3年1ヶ月サイクルで上がる?

ynark.hatenablog.com

 

後工程関連はまだまだ
パッケージやテスターは今期いっぱいは厳しそうで、まだ回復が見えていない様子です。ただし見方を変えたら「上がるならこれから」と言えるかもしれません(すでにアドバンテストは株価戻していますが)。パッケージ関連の株価はまだ上げている感じではないので、タイミングを逃さないように業績を追っていきたいと思います。

新光電気

イビデン

 

SOX指数はレジスタンス突破?

11/10(金)はSOX指数が+4%と大幅高で、上値レジスタンスラインっぽいところをブレイクしたように見えます。出来高も見たいのでSOX指数ではなくETFのSOXXのチャートを日足で見てみます。

上値ブレイクっぽいのですが、出来高が大して多くないのが気がかりです。5月後半に大きく上げたときは出来高も多かったのですが、そこまでの感じではないような。せめて上値レジスタンスがサポートに変わるくらいの展開にはなれるのか?注目したいと思います。

目先下げても、より長期の視点でみたらSOX指数はまだ上がる傾向だと思っています。下図はSOX指数の月足で、変化率を見やすくするために縦軸は対数表示としています。これでMACD売りシグナル(MacdSE)が出るまでは強気で行こうかなと。

今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。

 

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