ここまで9月は下落
前回記事にて9月は苦しい展開を想定していましたが、やはりSOX指数も現時点で前月比-8.33%と大きめの下落となりました。直近の半導体関連株の下げをもって、SNSではAIバブル崩壊!という意見も見るようになりました。ただし、私は直近の下げは季節性かな?という印象をもっています。半導体関連が大きく下げる場面はやがてくると思いますが、シリコンサイクル的には1年以上先では?とも考えています。以下、そのように考えた理由について述べていきます。
季節性という観点
米国株アノマリーとして、9月4週はかなり弱いと言われています。9月3週の金曜日にオプション満期日が集中(株価指数先物と株価指数オプション、個別株オプション)しており、荒れると言われています。また、その翌週(9月4週)は株価が大きく下がる傾向があるようです。下図はSOX指数の9月〜10月 週ごとの騰落率です。2010年〜2022年で、各週の騰落率を中央値で見てみました。
SOX指数も9月4週に下がる傾向が見られます。ということで直近の下げも例年通りの季節性かな?と考えました。対して、その翌週は大きめの上昇、また10月4週にも大きめに上昇する傾向となっています。来週は9月5週でまだ10月にもならず、上図のどこ…?という気もしますが、9月4週の次ということで下げたとしても終わりが近く、反発も期待できる時期かな?と思っています。
シリコンサイクルでの観点
半導体といえばシリコンサイクルがありますが、まずはこれまでのサイクルでSOX指数が上昇した期間がどのくらいなのかを確認します。
SOX指数の月足で、TradingViewのMACDストラテジーでの買いシグナル(MacdLE +2)が出た月から売りシグナル(MacdSE -2)が出るまでの期間を見てみました。過去3回のサイクルでは、2年3ヶ月〜2年7ヶ月となっています。直近では2023年6月にMACD買いシグナルが出ており、3ヶ月しか経過していません。半導体関連株は業績絶好調のときに下がり始めたりしますが、業績はこれから戻るというところなのでSOX指数が大幅下落するのはもっと先の話かな?と思っています。
次に、半導体市況の代表としてメモリ市場規模(出典:WSTS)とSOX指数を併せて見てみます。これまではメモリ不況期が終わった2、3ヶ月後にMACD買いシグナルが出ています。今回は既に2023年6月にMACD買いシグナルが出たわけですが、市場は先取りしているのでしょうか。
6〜8月のメモリ市況が回復しているのか?については9/28(木)早朝のマイクロンテクノロジー決算を見ておきたいと考えています。マイクロンの前回決算でのガイダンスでは、Q4(6〜8月期)売上は前四半期より増加見込みとのことですが、実際にそうなったとしてメモリ市況回復と評価されるのか?気になるところです。東京エレクトロンの決算ではAI向け高性能メモリに使う装置の引き合いが強いと言われていました。マイクロンからも、今後のメモリ市況は回復するというガイダンスが出るならポジティブかと思います。
マイクロン決算が弱くても
市場が先取りしていそうなメモリ回復のストーリーが崩れるならSOX指数も崩れそうですが、シリコンサイクルが数ヶ月伸びる程度だと考えると大局的にはまだ上があるかな?と見ています。
AIバブル崩壊!というくらいの下げはやがて来るかもしれませんが、それはシリコンサイクルで語れる範疇のことになるのではないでしょうか。つまり、まだ先の話かなと。
シリコンサイクルとは需要と供給、技術革新による設備投資で起こる、避けられない宿命…。
今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。
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