記載銘柄:ソニーグループ <6758>
決算発表後に売られたソニーグループ
4/30(金)は月末かつ連休前日で地合いも悪かったとはいえ、4/28(水)に決算発表したソニーグループの株価は-7.7%と大幅安でした。当日のソニーグループ売買代金はダントツ1位で、全体の雰囲気を重くした筆頭だったと思います。決算時に示した今期見通しはサプライズがなく売られたというニュースありましたが、そんなに売り込まれるような今期見通しなのか、または連休前と合わせた決算プレイなのか?今期見通しを見てみます。
今期見通し
セグメントが多いので、細かい数字は省いて見通しをざっと示します。
(1) ゲーム&ネットワークサービス(増収・減益)
・PS5の目標販売台数には半導体供給の制約を織り込み済み
・ゲーム有料会員の維持、拡大見込み
・自社制作ソフトウェア強化
PS5のコスト改善として、7nmプロセス半導体製品の歩留(良品率)向上も関わってくると思います。勝手なイメージですけど先端プロセスなので量産初期は歩留厳しかったのではないでしょうか。継続した歩留改善でコスト改善しそうに思います。CPU販売元のAMDがプライスダウンしなければ、AMDの利益率が変わるだけかもしれません。
(2) 音楽(増収・減益)
・先期の「劇場版 鬼滅の刃」大ヒットに対して慎重な見通し
・音楽は継続的に成長見込み
・買収など積極的な戦略投資を進める
14%減益見込みですが「劇場版 鬼滅の刃」が米国で絶好調とのことなので、上振れありそうに思います。アニメ2期も今年中とのことで、また鬼滅の刃が流行りそうな気がします。
(3) 映画(増収・増益)
・米国で自社ヒット作の続編を劇場公開予定
・2022年以降の配信権はNetflixやDisneyと良好な条件でライセンス締結
(4) エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション(増収・増益)
・スマホ分野を黒字化した経営チームで事業運営継続
(5) イメージング&センシング・ソリューション(増収・減益)
・研究費増加予定、生産設備拡張を継続
・ロジック回路半導体のキャパシティは確保済み
・車載やセンシング領域を中長期的に進める(来月IR Dayで説明予定)
研究開発費増加で減益見込みです。リソース投入しているこのセグメントがどうなるかがポイントのように思います。追加説明内容を見てみたいです。
(6) 金融(減収・増益)
・前年度のような運用益は見込まず
Totalでの前年度比見通し
・売上 +8%
・営業利益 -4%
・税引前利益 -24% (コンセンサスに対して-7.4%)
新型コロナウィルス感染状況が不透明な中では業績見通しが保守的なことはある程度仕方ないことだと考えています。見通しが保守的な場合は決算直後に売り込まれても5月末以降は株価回復基調になることが多いという日経新聞の記事もあり、下げは一時的かもしれません。
「一人負け」の日本株に勝算はあるか 転機は5月下旬: 日本経済新聞 https://t.co/AYGymNgYPa
— YN-ARK (@merry_oss) 2021年5月2日
ネガティブ要因は何か?
私はソニーグループ株を所有しています。自分が保有している銘柄はついつい良さそうなところだけを探しがちなので、意識してネガティブ要因として何があるのか整理してみます。
自社株買いは無いかも?
前回は3月末まで自社株買いの枠がありましたが全く買っていません。会社側は株価水準や投資機会が増えていることを踏まえ実施なし、と説明してます。今回も買収費用などに充てることは考えられると思います。自社株買いは株数を減らすことでEPS(1株あたり純利益)を上げますが、買収の結果として自社株買い以上にEPSが上がる見込みなら問題ないと考えます。どこか買収したら、自社株買いの何%相当か?と考えてみると面白いかもしれません。
PS5の生産状況に不安?
PS5に搭載するCPU、GPUはAMDのもので台湾のTSMCで生産しています。TSMC決算については過去記事ご参照ください。
半導体不足がニュースになる昨今では、特に自動車向け半導体の生産が強化されるとなると何らかの生産影響が出るかも知れません。PS5自体の収益は赤字ですが、PS5普及によってソフトウェアやネットワークサービスで利益が出るビジネスモデルなのでPS5生産が滞ると業績見通しにインパクトがありそうです。
日足チャート見るとまだ下がある?
ボリンジャーバンド(25日移動平均、±2σ、±3σ)と下段にRSIを示しています。
ボリンジャーバンドについて
バンドの幅は価格の標準偏差σ(平均値からどの程度分散しているか)を示します。
・価格が上のバンドに触れたら買われ過ぎとみなされる
・価格が下のバンドに触れたら売られ過ぎとみなされる
ボリンジャーバンド活用例
(1) 価格が下のバンドで反発して移動平均線を上抜いたら、上値目標値を上バンドに設定(下値目標値は逆)
(2) 価格が上のバンドと移動平均線の間で上下している場合に強い上昇トレンドとみなす(下降トレンドは逆)
RSIについて
・70以上で買われ過ぎとみなされる
・30以下で売られ過ぎとみなされる
RSI活用方法の例
(1) 30以下が売られ過ぎなので買い、70以上は買われ過ぎなので売り(レンジ相場で活用)
(2) 30ライン割れから上抜けで買いサイン、70超えから70下抜けで売りサイン
(3) 50上抜けを買いサイン、50下抜けは売りサイン
これらテクニカル指標の活用例は下記書籍を参考にしています。
テクニカル指標とは?という方は下記書籍がおすすめです。
ボリンジャーバンドの-2σを明確に割り込み、売られ過ぎとみなされます。既に活用例(1)にある下値目標値付近まで下げています。ただし-3σには至っておらず、-2σ〜-3σを上下しながら下がるような下降トレンドにもなりえるのでボリンジャーバンド活用例(2)に当てはまる動きになるのか注目しています。
RSIは売られ過ぎ水準に達していないので、もう少し下があるかもしれません。
週足チャートが崩れそう?
ボリンジャーバンド(26週移動平均、±2σ、±3σ)とRSIを示しています。
26週移動平均を下抜けると、ボリンジャーバンド活用例(1)によれば-2σで目標株価9,000円程度になります。
RSIは売られ過ぎ水準に達していないので、もう少し下があるかもしれません。
9,000円まで下がったら驚きですけど…。ただ、相場はなんでもアリなので、連休明け以降に下降トレンドになるのか?チャートがどうなっていくか注目したいと思います。
今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。
※当ブログでは個別銘柄についての記載がありますが投資やその他の行動を勧誘、推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。