記載銘柄
ANAホールディングス<9202>、日本航空<9201>、東日本旅客鉄道<9020>、エイチ・アイ・エス<9603>
ANAホールディングスが4/30(金)に2021年3月期(先期)の決算、2022年3月期(今期)の見通しを発表しました。先期の結果はコンセンサスとほぼ変わらずのものでしたが、今期業績予想は黒字で経常利益+50億円、当期純利益+35億円の見通しとなっています。コンセンサスの-1,450億円に対してかなりの強気見通しです。発表された内容を見ていきます。
決算内容と今期予想
2021年3月期 決算内容
・売上高:7,286億円(会社予想:7,400億円)
・経常利益:-4,513億円(会社予想:-5,000億円、コンセンサス:-4,525億円)
ポイントは下記となります。
・コロナ禍の影響により旅客需要が大幅に低迷
・貨物の増収と費用削減により、通期業績予想よりも改善
以前の記事にてなんとなく予想していましたが、貨物は半導体・電子機器などの需要が大きく予想より上振れとのことです。
2022年3月期 予想
・売上高:13,800億円
・経常利益:50億円(コンセンサス:-1,450億円)
今期予想の前提は下記とのことです。
・国内線:コロナ前に対して年度平均80%までの回復を想定。7-9月から回復に向かい、10月-翌年3月には90%までの回復を見込む。
・国際線:コロナ前に対して年度平均50%までの回復を想定。コロナ前水準に戻るのは2024年3月期末と見込む。
国内のワクチン接種状況をみると国内線、国際線ともに回復想定が結構強気かなと思います。こうなると同業の日本航空が5/7(金)の決算発表でどのような今期見通しを出してくるのか興味深いです。なお、日本航空の今期最終経常利益のコンセンサスは-750億円となっています。日本航空が今期も赤字という発表をしたらANAもツレ安になるかも知れませんし、こっちも黒字浮上となったらアフターコロナ銘柄が強く物色されるように思います。
チャートの確認
結局は新型コロナ感染状況の今後が不透明なので、アフターコロナ銘柄の業績予想もあまり重視されないかも知れません。そこで株価変化は主に需給によると考え、チャートから買い場を探っていきたいと思います。以下、各銘柄のチャートを示します。株価(移動平均線:75日)、出来高、テクニカル指標は今回はMACDとRSIを表示しました。
※これまでは、MACDより先行するストキャスティクスを示していましたが、MACDがどれもゴールデンクロスしたのでRSIに変えています。
テクニカル指標ってなんだろう?という場合はこちらの書籍がわかりやすいと思います。
・MACD:0より下でゴールデンクロスすると買いサイン、0より上でデッドクロスすると売りサインだと言われます。
・RSI:70以上で買われすぎ、30以下で売られすぎを示すと言われます。
以下、RSI活用方法の例です。
(1) 30以下が売られすぎなので買い、70以上は買われすぎなので売りという考え(レンジ相場で活用)
(2) 30のラインを割ってから上抜けたら買いサイン、70を超えてから70を下抜けたら売りサイン
(3) 50を上抜けるところを買いサイン、50を下抜けるところは売りサイン
このRSI活用例として参考にしたのは下記書籍です。
ANAホールディングス
・75日線がわずかに上向き、75日線がサポートしそうな感じです。
・MACDは0ライン下でのゴールデンクロスで買いサインが出ているようです。
・RSIは53で、上記(3)の買いサインにあてはまります。
買いサイン出ていますが、連休明けに決算を織り込むので注意したいところです。強気の今期見通しが市場でどのように受け取られるのか注目です。4/30(金)のADRでは株価3%程度上がっています。
日本航空
・75日線が上向き、75日線がサポートしそうな感じです。
・MACDは0ライン下でのゴールデンクロスで買いサインが出ているようです。
・RSIは50.3で、上記(3)の買いサインにあてはまります。
買いサイン出ていますが、決算が5/7(金)とまだなので注意したいところです。
東日本旅客鉄道
・75日線が上向き、株価は75日線より下で、ここから上抜けるか注目したいです。
・MACDは0ライン下でのゴールデンクロスし始めて買いサインが出ているようです。
・RSIは47と上向いていますが上記(3)の買いサインには至っていません。
買いサインまでもう少しといった感じでしょうか。
エイチ・アイ・エス
先週記事に書いた「強気の下降ウェッジパターン」から上放れしそうですが、しきれていません。最後の日足が4/30(金)なので、月末そして連休前という持ち越ししたくない日だったという影響もありそうですが…。ここから出来高ともなって上放れしたら買いサインになると思います。
・75日線が上向き、75日線がサポートしそうな感じです。
・MACDは0ライン下でのゴールデンクロスで買いサインが出ているようです。
・RSIは54で上記(3)の買いサインにあてはまりますが、少しダレているのが気になります。
なんといってもウェッジパターンから上放れするのか注目です。
アフターコロナ銘柄 まとめ
・業績予想が強気でも前提条件は不確実な状況
・チャート的には一部買いサインが出たり、これから出るかの分かれ道
・業績回復タイミングは不明確だが、将来的には回復すると考えてウォッチ継続
私はデイトレードではこれらの銘柄を結構触っていますが、上値余地は十分あると思うので中長期目線ではINタイミングは焦らなくても良いかと考えています。
今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。
※当ブログでは個別銘柄についての記載がありますが投資やその他の行動を勧誘、推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。