米国株の反発持続力なし!でも日本株の半導体関連株は押し目?

記載内容:ダウ平均、S&P500、NASDAQ総合、SOX、SUMCO、東京応化工業

米国CPI受けて大幅下落

6/10(金)に米国消費者物価指数(CPI)が発表されました。これを受けて株価大幅下落となっています。

・5月総合 8.6% (予想 8.2%)
・5月コア 6.0% (予想 5.9%)

インフレのピークアウトが否定
 ↓
金利大幅上昇懸念
 ↓
株価下落

という流れで説明できると思います。ただ、まだ金利も上げていないし世界情勢も不安定な現状でなぜピークアウトと予想できるのか?せめて高止まりなんじゃ…と個人的には思いますけど。

なお、ドル円はCPI発表前後とも134.4円程度で、あまり動いていません。CPI受けて米国金利が大幅上昇するかも?というならドル高円安が進みそうなものですが、為替は織り込み済みでしょうか。となると株価反応はなんだったのか?と思いますが、以下にて米国株価指数を見ていきます。

 

米国株価指数をチェック

主要指数はパラボリック陰転
2週間前は記事に書いたようにパラボリック陽転しましたが、6/10(金)にて陰転(SARが株価の下から上になる)となりました。米国株価の大きな転換点はまだ先のようです。なお、インジケーターの表示内容は前回記事と同一です。

ynark.hatenablog.com

ダウ平均株価

 

S&P500指数

 

NASDAQ総合指数

 

SOX(フィラデルフィア半導体指数)


半導体関連の下げは結構キツく、以前の抵抗線が支持線になることもなくラインを割り込んでいます。後述の証券会社レポートが効いているかもしれません。

 

米国株の転換点になる?今後のイベント

・6/14(火)、15(水):FOMC
・6/17(金):米国SQ(先物、オプション)

6/20(月)は米国休場ですので、6/21(火)あたりで株価反転あるのか注目したいと考えています。

 

日本も半導体関連が下落したけど…

ここのところ、日本株は米国株と相対的に強い状況です。急激な円安の効果だったり、もともと米国株ほど割高感がないことによると思います。

ただし、6/10(金)は日本でも半導体関連が大きく下落しました。ちょうどクレディ・スイス証券が半導体関連についてネガティブなレポートを出したタイミングなので、影響受けているように思います。

クレディ・スイス証券は、個人的には短期の売りが力強いという印象です。2年前の2020年6月12日にも、ここは半導体市況のピークアウトを予想して東京エレクトロンなどのレーティングを下げました。その後の株価は下記となります。

東京エレクトロン (2020年 日足)

2020年の6/12(金)、翌6/15(月)と株価が大きく下げましたが、6/19(金)からは大幅に株価上昇しています。いかにも証券会社の「シゴト」という印象です。今回もたまたま6月第2金曜日に半導体のネガティブなレポート出してきたのでしょうか?ちょっと勘繰ってしまいます。

私はこの時、東京エレクトロンを1,600株持っていたので覚えています。クレディ・スイスが目標株価16,440円とか言い出して、いやいやいやそんなことないでしょ、と。まぁ、ここで売ることはなかったのですが29,000円くらいで売っちゃいましたけどね…。

なお、WSTS(世界半導体市場統計)は2023年までの半導体市場予想を6/7(火)に公表しました。「総合的に需要面でプラス要素が多く2022年、2023年は半導体市場は拡大が続く」という内容です。中長期目線なら、半導体関連は短期的な波が荒いだけに、買いどころを選ぶとまだまだ良い投資対象になるかなと考えています。

 

注目銘柄

ということで、日本の半導体関連についてはガッツリ下げたら中長期で持つには良い押し目かな?と思っています。特に6月末に配当があり、想定為替レートが現状より円高設定だったりする銘柄を狙ってみたいと考えています。

 

SUMCO

シリコンウェハのメーカーです。
・6月末配当:34円
 6/10終値ベースで1.6%

・4-6月期想定為替レート:126円
 為替感応度:営業利益+13億円/1円安
➡️4-6月 1ドル=129円なら
   営業利益+39億円
➡️2Q決算でコンセンサス超えるか?
   会社方針として次四半期の予想しか出さないのが、どう評価されるか心配

 

東京応化工業

半導体製造に用いるフォトレジストのメーカーです。
・6月末配当:78円
 6/10終値ベースで1.0%

・4-6月期想定為替レート:110円
 2Q決算で通期上方修正に期待
 ガイダンス控えめなのが心配


東京応化は既にパラボリック陰転しており更なる下落が懸念されます。SUMCOもそうですが、下げを拾うとしても前述の米国イベントが転換点になることを想定して6/17(金)くらいまでは慎重に様子を見たいと考えています。

 

TSMC売上好調、半導体部材も好調?

なお、6/10(金)発表のTSMC月次売上(5月)は過去最高でした。先月の当時過去最高売上を更新しており、設備投資による生産能力向上の効果が現れてきたと考えます。4月、5月の半導体部材関連は売上が良かったのではと推定しています。

半導体関連銘柄は製造工程の流れがわかると探しやすいのですが、下記書籍では製造装置、材料メーカーなど網羅されているので大変参考になると思います。

 

まとめ

・米国株はまだ荒れそう
・特に半導体関連は証券会社レポートで荒れそう
・でも日本の半導体部材には期待
・6/17(金)くらいまで様子見かも

今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。
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