記載銘柄:JSR<4185>、信越化学<4063>、アドバンテスト<6857>、イビデン<4062>
地合いは悪そう、でも好決算なら上がる?
4月22日の米国市場は大きめの下げとなりました。5月のFOMCで0.5%の利上げが示唆されたり、量的引き締め(QT)が始まる予定だったりとなどで、警戒売りが出ているようです。現在のS&P500 PER=24.9、NASDAQ100 PER=31.2と金融緩和による割高感があるので売り込まれるのも仕方ないと思いますが、日経平均 PER=16.9というのを考えると、これで日本株が売り込まれるのも…という感じはしますが週明けの東京市場も大きく下げて始まりそうです。
ただし、私が注視している半導体関連では好決算だと地合いに関係なく値を上げる展開がありました。ということで、今回は半導体関連で決算が近い銘柄をチェックします。
ローツェ
まずは、好決算で値を上げた事例についてです。
4/11(月)に2022年2月期の本決算ありました。経常利益がコンセンサス+10.4%の結果であり、今期経常利益予想もコンセンサス+17.5%と好決算といえる内容と思います。下段に日経平均を示していますが、株価は日経平均に対して大きく逆行高となったことがわかります。
マルマエ
3/30(水)に中間決算あり、結果はコンセンサス-5%、通期業績修正せずに通期コンセンサス-30%以上ということで株価は大幅下落しました。ただし4/15(金)引け後に通期業績修正を発表して現状は通期コンセンサス-8%程度となっています。また、合わせて自社株買いを発表しました。好決算というか、大きく下げた後に業績修正したところは株価が上に反応しています。
ディスコ
4/21(木)に2022年3月期の本決算を発表し、コンセンサス+5.7%という結果でした。今期1Q予想は経常利益コンセンサス-14%程度とはいえ、前年1Q比でみると+51%と大幅な伸びというのが評価されているように思います。ここも決算後の値動きは日経平均に対して逆行高となりました。
半導体関連は警戒売りっぽさあるが?
TSMCが3nmプロセス製品を今年後半に生産開始したり、2nmプロセス製品も2025年に量産という計画があり設備投資もまだまだ旺盛のように思います。クレディ・スイスは「米国金利上昇、商品値上がり(インフレ)で消費が落ち込み、半導体セクターの伸びが鈍化する可能性がある」というコメント出していますが、半導体製品の供給が追いついていない現状を見ると「それはどうかな?」と個人的には思います。このあと本決算発表となる企業が多く、合わせて今期の見通しが出てきますので決算内容に注目していきたいと思います。以下、来週決算の半導体関連銘柄をチェックします。
JSR:4/25(月)決算
半導体製造時に用いるフォトレジストを手がけるところです。TSMCの1-3月期売上が過去最高であったりと、半導体製造に必要な部材も売上が大きかったのでは?と予想しています。また、TSMCが2nmプロセスの新工場を建設しますので、今後の伸びも期待できるかな?と思っています。
チャートを見てみます。75日移動平均線、スローストキャスティクス・ストラテジー(TradingView内蔵)と、テクニカル指標としてスローストキャスティクス、RSI、MACDを示しています。(以降の銘柄でもチャート表示内容は同一です)
前回記事でスローストキャスティクスの買いシグナル(StochLE+2)が発生するか注目としていましたが、4/18(月)に買いシグナル発生しています。他の指標を見ると下記となっています。
MACD:買いシグナル発生
(0ライン下でのゴールデンクロス)
RSI:買いシグナル発生
(RSI=紫ラインが50上抜き)
※赤ラインはRSIの5日移動平均
なお、テクニカル指標の売買シグナルは、下記書籍を参考にしたものです。
信越化学:4/27(水)決算
シリコンウェハでシェア首位、フォトレジストも手掛けます。また塩ビもシェア首位であり、3月の米国住宅着工件数が市場予想に反して増加したというのも住宅向け塩ビが伸びたのでは?と思っています。
チャートは底値圏っぽさがあるのですが、週明け4/25(月)は米国株価の影響で下げる展開となりそうです。PER=14.7と割高感は無いので、好決算なら素直に買われる展開になるかな?と考えています。
アドバンテスト:4/27(水)決算
半導体テスターの大手です。半導体製造工場の設備投資が旺盛なら、テスターも伸びると考えます。
テクニカル指標を見ると株価位置は高くないと思うので、好決算なら素直に上がるかな?と思っています。今期見通しが保守的になり過ぎないか心配ですが…。
イビデン:4/27(水)決算
インテル向けICパッケージを手掛けます。インテルCEOがTSMC訪問したニュースもあり今後に期待したいです。PER=15.2、テクニカル指標でも割高感もないように思います。
まとめ
・ここまでの結果より、好決算なら素直に買われそう
(好決算でも材料出尽くし、売られるという展開では無いかも?)
・半導体関連は決算済みの銘柄を見ると、好業績が多そう
・ガイダンスが控えめ傾向の銘柄は注意したい
(世界情勢が不安定なので、ガイダンスリスクで売られる展開を警戒)
今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。
※当ブログでは個別銘柄についての記載がありますが投資やその他の行動を勧誘、推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。また、記載の決算日は予定であり変更となる可能性があります。