記載銘柄:ASML<NASDAQ: ASML>、TSMC<NYSE: TSM>、
信越化学 <4063>、JSR<4185>、東京応化<4186>
TSMCの決算は好調
1/13(木)に世界最大の半導体ファウンドリであるTSMCが、2021年10-12月期(4Q)の決算を発表しました。細かい数字を省いて通期の結果を見てみると下記となります。
・売上:過去最高(前年比+18.5%)
・営業利益:過去最高(前年比+14.7%)
・営業利益率:前年42.3%→40.9%
営業利益率の低下は、巨額設備投資の影響だと考えます。2021年の設備投資実績値は会社側のアナウンス通りに300億ドル(日本円で3兆円超え)でした。直近2021年12月の月次売上が過去最高となっているのは、製品単価の上昇の他、設備投資によってウェハ処理能力が向上していることが要因としてあると思います。
TSMCは先端プロセスに更なる投資
前年の設備投資が巨額だったため今年は減るかと思いきや、設備投資額はむしろ増加して400〜440億ドルとなる計画です。この投資額の7~8割は先端プロセス(2~7nmプロセス)向けの計画だそうです。
これを考えると、今後も先端プロセスで用いられるEUV(極端紫外線=短い波長で露光することで微細化できる)露光装置のシェア独占状態のASMLが更に売上を伸ばす?なんて思います。またEUV用の部材、例えばフォトレジストなどを供給するメーカーも売上を伸ばすのではないでしょうか。ということで、以下では注目してみたい銘柄をリストしてみます。
注目してみたい銘柄
(1) TSMC
・設備投資は大きく、成長期待
・決算発表:1/13(木)済み
(2) ASML
・TSMCが先端プロセスに巨額投資
→ ASMLの露光装置が更に売れそう
・決算発表:1/19(水) ※15:00予定
※中央ヨーロッパ時間 7:00予定
(3) 信越化学
・EUV用レジストを手がける
・台湾でもフォトレジスト生産
・シリコンウェハも単価、出荷数ともに上がりそう
・決算発表:1/27(木)予定
(4) JSR
・EUV用レジストを手がける
・決算発表:1/31(月)予定
(5) 東京応化
・EUV用レジストを手がける
・決算発表:2/14(月)予定
次に、それぞれの株価位置を見てみます。
株価位置(日足)
(1) TSMC決算受けて株価は上昇しました。どこまで伸びるのか注目です。
(2) ASML
直近は1/2(日)に発生したベルリン工場の火災影響もあったのか株価下げていました。
決算が1/19(水) 予定と近いので、決算後の値動きに注目です。
テクニカル指標としては下記が見どころのように思います。
・MACD:ゴールデンクロスするか
・RSI:50ラインを上抜けるか
・モメンタム:0ラインを上抜けるか
(3) 信越化学株価は持ち合い状態です。RSIからはレンジ下限に近いように思います。
持ち合い状態でMACDやモメンタムは特に見どころがないようです。
ASML決算:1/19(水)で何らか影響がないか注目しています。
(4) JSRここも株価持ち合い状態です。レンジ相場と見なすと、RSIが下がりレンジ下限に近いように見えます。
1/14(金)のローソク足は下ヒゲとなっていて下限っぽさがありそうですが、この日は日銀のETF買いが後場から入って持ち直した影響が大きいことを考慮しておきたいです。
(5) 東京応化株価は下落基調のように見えます。MACDはヒストグラムが短くなってきており、ここからゴールデンクロスするのか注目しています。
ここは決算がJSRより後(JSR:1/31、東京応化:2/14)なので、JSRの決算内容と決算後の値動きを参考にして売買を計画したいと考えています。
決算次第で半導体が強くなる?
直近のバリューシフトで鉄鋼などが大きく値上がりして、半導体関連はさほど高PERでなくとも下げたところが多かったように思います。TSMCが決算受けて値上がりしているように、半導体関連でも今後の見通しが想定より強くて買われる、という展開を想定しておきたいです。また、その時に買われているバリュー銘柄が業績ピークアウトだとか何らかの理由を付けられて売り込まれないか注意しようと思います。
まとめ
・TSMCが先端プロセスに巨額投資
・先端プロセス向け銘柄に注目
・バリュー→半導体へのシフト?
今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。
※当ブログでは個別銘柄についての記載がありますが投資やその他の行動を勧誘、推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。