半導体製造装置に過熱感?決算通過したSCREENどうなる?

SCREENホールディングスが決算発表

半導体製造装置メーカーのSCREENが2026年1月30日に3Q決算を発表しましたが、決算発表後のPTSで株価は下げて-3.10%となりました。

今回はSCREEN決算発表の内容と説明会での社長コメント、洗浄装置の将来性や半導体製造装置市況、株価のバリュエーションなどについて考えたことを書いてみました。

 

SCREEN決算発表内容

下記は3Q26決算発表時の売上実績及び4Q予想です。これを見て「1Q26での底打ち感はありそう。ただし3Q実績が低くて、通期据え置きだけど4Qで本当に挽回できるのかな…」とネガティブよりの印象を持ちました。通期経常利益予想は据え置きでコンセンサスをわずかに超えていそうですので、4Qの確度がポイントと思います。

売上(億円)
3Q25: 1,825
4Q25: 1,653
1Q26: 1,357
2Q26: 1,385
3Q26: 1,510
4Q26(予想): 1,958

その後の決算説明会で、社長から下記コメントがでました。

社長コメント
3Qのロジック向けやファウンドリー向けの売り上げ減は想定通り
当初春以降の立ち上がりとみていたが26年年初から引き合いが出ており、想定より早めに回復している

このコメントは通期予想達成に向けて安心材料になりそうでしたが、時間外の株価は多少戻し気味になるものの-3.10%で終了しました。この雰囲気だと週明けは下げて始まりそうに思います。

個人的にSCREENで注目したいのは、TSMCの2nmプロセス量産が始まったことによる洗浄装置の需要増が見えてくるのか?という点です。「26年年初から」というのが2026年のTSMC設備投資の案件なら、4Qが伸びる可能性は高そうとも思っています。

 

微細化で洗浄工程は更に重要に

SCREENは洗浄装置を主力としており、ウェハを一枚づつ洗浄する枚葉式洗浄装置シェアNo.1です。微細プロセスになるほど小さな異物でも不良原因になるため、プロセス微細化・デバイス構造の複雑化によって洗浄工程はこれまで以上に重要になると考えます。

2025年12月16日のIR Day資料ではデバイスごとに今後どのくらい洗浄装置が伸びそうなのか説明していますが、ロジック向けも微細化による構造変化で洗浄装置売上が増える見込みです。TSMCは2025年末に2nmプロセスを量産開始していますが、このプロセスからGAA(Gate-All-Around)、ナノシート構造となっているので更なる洗浄装置の需要が見込まれそうです。

そう考えると大きな流れとしては、先端プロセスで使われる枚葉式洗浄装置に強いSCREENにとってはポジティブと考えています。また、半導体製造装置の市場規模もこれまでの予想(2025年末)より大きくなりそうなのも装置関連全体にとってプラスと考えます。

 

半導体製造装置市況は強そう

2026年のWFE(Wafer Fab Equipment)市場規模についてラムリサーチが決算発表時に予想を出しており、昨年末時点でのSEMI予想(1,260億ドル)から100億ドル程度プラスとなる1,350億ドル程度となっています。その翌日に決算発表したKLAも市場規模について質問されて、ラムリサーチほどではないにしても近いように思うというような内容でコメントしていました。TSMCの設備投資額が予想より大きくなったこと、サムスンやSKハイニックスも先日の決算発表で設備投資に積極的な姿勢を示していますので、2026年のWFE市場 成長率は2025年を超えるレベルになりそうと個人的には推定しています。

じゃあ半導体製造装置の株価もまだまだ…?と言いたいところですが、それは現状株価のバリュエーションという点で難しい局面のような気がします。

 

半導体製造装置の株価は高値圏?

WFE市場規模の予想は上方修正ありそうでも、半導体製造装置の株価は割安感に乏しいというか割高感があるように思います。というのも、アドバンテスト、ASML、ラムリサーチと好決算と言えそうなところでさえ決算発表前より今の株価は下げています(アドバンテストは日経平均ウェートキャップの件がありますが)。1月30日早朝に決算発表したKLACは、その晩-15.24%も下げました。またディスコは決算発表後にS高した割には株価はダレています。

ここまで株価が上げたから決算通過で利確しておこうという向きが居たと思いますが、言ってみればそう思いたくなるくらいの株価位置まで来たのかなと。

SCREENに限らずとも、株価位置の問題なら下げて過熱感が解消すれば…という展開があるのか気になるところです。またはこれから決算発表する装置メーカーが超絶上方修正するとか、もっと盛り上がる話があれば別ですけど…。ということで、続いては各装置メーカーの割高・割安感がどのくらいかを見てみました。

 

半導体製造装置銘柄の予想PER比較

各半導体製造装置銘柄の割安・割高感を見るために予想PERを比較しました。とはいえ銘柄によって例年のPERレベルは異なりますし、装置と言っても手掛ける工程も違うし、銘柄の比較に使えるのか難しい気もしますが、ざっくり比較ということで。

銘柄:予想PER
TER:79.68
アドバンテスト:60.67
ディスコ:56.09
KOKUSAI:51.12
ラムリサーチ:49.43
KLAC:48.53
ASML:43.66
東京エレクトロン:38.84
AMAT:36.69
SCREEN:21.29

SCREENは例年PERが低めですが、こうやってみると他銘柄より割高感は低いのかなと改めて思いました。営業利益率が比較的低めというのもあるのかもしれませんが、そこは改善の余地があると言い換えることもできるかなと。

 

週明けに下がるなら…?

SCREENは2nmプロセス向け洗浄装置の伸びに期待して、まだ株価見直しがあるかもしれないとウォッチしていきたいのですが、半導体製造装置全体が高値圏にありそうな現状では押し目が来ないと新規買いも難易度が高そうです。

ディスコやアドバンテストが決算後に大きく上げたので、半導体関連の決算を買いでまたぎたい人達もいたように思います。そんなSCREENの決算後爆上げを期待した勢がブン投げて、大きく下がる場面があれば、それが押し目になるでしょうか。

前回記事で書いたような信越化学のような株価位置での決算後の反応だとやりやすいのですが。

ynark.hatenablog.com

 

今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。

 

※当ブログでは個別銘柄などについての記載がある場合がありますが、個人の考えを記載したものであり投資やその他の行動を勧誘、推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。