【 KLA <NASDAQ:KLAC> 決算予定4/30(金) AM6:00 】会社名が動詞になる米国の半導体検査装置トップメーカー

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この記事の内容

・KLAコーポレーションの事業内容

・KLA株価チャートのテクニカル分析

・海外の半導体関連銘柄の調べ方

 

KLAってどんな会社?

KLAコーポレーション <NASDAQ:KLAC>は、ウェハ上の欠陥(異物=ゴミなど)検査装置でシェア100%の米国企業です。ウェハ欠陥検査装置がKLA製しかないこともあり、一部関係者の中にはウェハ欠陥検査することを「KLAする」なんて言う人もいます。会社名が動詞になる、そんな会社です。

 

半導体製造で欠陥検査は重要

たとえば製造工程で配線間にゴミが付いてしまったらショートしたり、リーク電流が流れたり、初期は問題なくても保証期間内に不具合を起こしたりします。使っている内に故障するなんて自動車なら一大事になります。欠陥検査は重要です。

 

欠陥検査装置の今後を考える

半導体プロセスはEUVなどのフォトリソグラフィー技術の進歩で微細化が進み、どんどん配線や配線幅が狭くなる傾向にあります。3nm以下のプロセスも開発中です。

しかし、検査装置で検出できるゴミの大きさにも限界があります。今すぐではないにしても、今後は更に高性能な検査装置の需要がでてくることで、より装置の付加価値が高く(=粗利率が高く)KLAの収益は向上するのではないかな?と思います。

今は5nm、7nmといった先端プロセスはスマホやPC向けですが、将来的には自動車などの人命に関わる製品にも適用されると思います。そうすると5nmとかのプロセスに最高級の品質が要求されることになります。

というようなシナリオで、私は微細化とともにKLAが検査装置シェア100%をより強固なものにして、長期的には更に成長するかなと考えています。

 

KLAってあまり聞かないけど強みがある会社

ここ最近は半導体関連銘柄が注目されているので、海外の製造装置メーカーについてご存知の方も多いと思います。ただ、アプライドマテリアルズ、ラムリサーチ、ASMLなどのメジャーどころに対して、KLAは比較的マイナーな銘柄かと思い今回記事にしてみました。KLAの決算発表を受けて関連銘柄の値動きが変わった!半導体全体、SOX指数が上がってゆく!とかあまり聞かないですね。ASMLだと聞きますけど。でも、2020年8月末にはレーザーテックがシェア100%をもつEUVマスク検査装置に、KLAが参入しそうだとASMLが言ったときはレーザーテックの株価がグッと下がってKLAが話題になりました。

ということで、KLAはウェハ欠陥検査装置のシェア100%、レーザーテックのシェアも取りに行きそう、という強みを持つ会社です。

 

決算内容のおさらい

来週決算ですので、前回の決算内容を確認しておきます。

2020年 10-12月期 実績

・売上 $16.5億 (前期比+7%)

・粗利 61.8% (前期比 -0.3ポイント)

 

2021年 1-3月期 会社予想

・売上 $16.65億〜18.15億

・粗利 61.25〜63.25%

 

売上の会社予想はレンジ上限で前期比+10%で、これを超えられるか注目ですが目標が高めなので決算後の値動きが心配です。ASMLの好決算を受けて半導体製造装置関連が値を上げていますので、決算までに上がり続ける場合は織り込み済み→決算後に下がる、という展開がありえることに警戒したいと思います。

粗利率が60%超えというのは高水準なので多少のブレは影響なさそうに思います。

 

株価チャートのテクニカル分析

日足チャートを示します。移動平均線は100日、オシレーターは価格変化率(ROC)とモメンタムです。

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チャート提供元:TradingView

ROC

チャート最下段がROCです。ROCは価格変化率を示していて先行指標となります。ROCの向きが変わるところが相場の反転タイミングとされます。価格トレンドが上向きで、ROCが0ラインから下で上昇に転じたら買いサインだといわれます。売りサインはその逆です。この売買サインの定義では既に買いサインが出ているようです。

 

モメンタム

下から2段目はモメンタムです。これも価格の先行指標です。

モメンタムが0ラインを下から上抜けると買いサインにするテクニカルアナリストは多い、といわれています。売りサインはその逆です。

現状は0ラインより下で反転し始めましたが、0ラインを上抜けるまでには至っていません。ここから買いサインとなるのか注目です。

過去に売買サインが出たところをチャートに描いてみました。その日の終値時点で売買サインに従った場合です。赤丸で買い、青丸で売ると利益が出ています。このようにモメンタムが売買サインとして有効なことがわかると思います

個人的には数日で売買をクローズするスイングトレードでは、日足チャートのモメンタムを参考にして売買することが多いです。

ROC、モメンタムについて参考にした書籍は下記です。かなり昔の本ですが、この1冊でテクニカル分析のすべてをマスターできる!というのは伊達じゃないボリュームです。テクニカル分析を本気で勉強したい方には良書だと思います。

 

海外の半導体関連銘柄の調べ方

半導体関連だけでも、ニュースなどで名前を聞かなくても優良な企業が米国にもあります。下記の米国会社四季報は、セクターごとに米国企業情報が記載されていますのでパラパラめくって知らない米国企業を見つけることができるので思うので面白いと思います。ETFもたくさんあって、セクター全体に投資したいときも便利でオススメです。ちなみに四季報ってタイトルですけど、年に2回(春夏、秋冬)の刊行です。下記は2021年4/19発売の最新号です。

 

また、下記の会社四季報業界地図も海外銘柄についてわかりやすく記載されています。

 

あまり聞かない米国半導体関連シリーズとして、機会があればテスターのシェアを日本のアドバンテストと二分するテラダインも紹介してみたいと思いますが、今回はこれで終わります。読んでいただきありがとうございました。

 

当ブログでは個別銘柄についての記載がありますが投資やその他の行動を勧誘、推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。