決算シーズン!国内外の半導体関連銘柄の決算日と見どころ

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来週(4/19~4/23)半導体関連銘柄がいくつか決算を発表しますので、日程と見どころをチェックしていきます。

記載した来週決算の銘柄

・ASML Holding <NASDAQ:ASML>

・Lam Research <NASDAQ:LRCX>

・ディスコ <6146>

IntelNASDAQ:INTC> 

米国市場で買える海外銘柄も記載しています。米国株は1株から買えるので数千円〜数万円といった少ない金額で投資ができるのが魅力です。

日本の半導体製関連銘柄はどんどん値を上げていて、例えば今回取り上げたディスコは最小単位の100株買うのに現在373万円必要です。半導体関連銘柄を買うなら米国で、というのも良いかなと思います。ネット証券のモバイルアプリでも米国株対応しているものがありますし。

 では、日程と見どころをみてみます。

 

4/21(水)

ASML Holding <NASDAQ:ASML>

EUV露光装置のシェア100%を持つ、露光装置に強いオランダのメーカーです。NASDAQ ADRで米国株として買うことができます。

シェア100%というのは売価設定で非常に大きな強みになります。EUV露光装置の価格はとんでもない高額でしょう。なお、TSMCは先端プロセスが伸びていて巨額の設備投資を行う予定です。

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 これからもEUVを用いたプロセスが伸びると考えると、どのくらいEUV露光装置が売れたのか?受注状況はどうか?というのが気になるところです。

株価は米国時間4/16(金)の終値で$645.69と、終値ベースで高値更新しています。TSMCの投資額も出ていますし、決算で材料出尽くして下げとかになるのか?文句のつけようがない決算が出て株価あがるのか?気になるところです。

 

EUVとは?

EUVとは極端紫外線の意味でフォトリソグラフィーに用いる光源の種類です。露光には紫外線ランプを使うのですが波長が短いほと細い幅のパターンを作ることができます。ざっくり言うと、EUVを用いると細いパターンが作れるので、微細化できて半導体製品が高性能になるというような感じです。

 

EUVで露光回数を減らせる

KrF、ArFというのもありますが、これは遠紫外線(DUV)です。EUVはもっと波長の短い極端紫外線で、7nmプロセス以下で使われたりします。

また、より短い波長の光源を使うので露光時に隣り合うパターンがボヤっとなってくっついてしまうようなことが抑制できます。配線間を狭くしたい場合は隣り合うパターンが互いに干渉しないように何回かに分けて露光するマルチパターニングという方法がとられたりしますが、EUVだと一回の露光でパターニングできるのでスループットが上がるという効果もあります。

 

EUV普及で製造装置メーカーへの影響は?

マルチパターニングが少なくなると、ウェハにレジストを塗ったり現像する製造装置:コータ/デベロッパの伸びはどうなるのでしょう?

コータ/デベロッパで高いシェアを持つ東京エレクトロンは、2021/1/28の決算説明会の質疑応答にて「EUVの普及は当社の事業にとってはポジティブ」と回答しています。技術難易度が高まり、付加価値の高い製造装置が求められることと、EUV向けコータ/デベロッパのシェアが100%あるということが理由だそうです。

 

4/22(木) *日本時間

Lam Research <NASDAQ:LRCX> 

エッチング装置、成膜装置、洗浄装置などに強いところです。

Lam Research の資料(2021/1/27付)によると、主な地域別売上は下記となります。

・中国 35%

・韓国 21%

・台湾 17%

・日本 10%

中国向けがトップです。最近の半導体をめぐる米中の関係を見ると、今後は中国向けが落ち込んだりしないかな?というのが気になります。その分、台湾とか他の地域がたくさん買うので影響なし、となるかもしれません。半導体の需要が変わるということではないので。

 

ディスコ <6146>

ダイシング装置、研削・研磨装置のシェアトップメーカーです。4/6(火)に1-3月期の売上高および出荷額の速報が開示されました。前年同期比+43.5%、通期では前期比+29.6%と、予想+5.6%でした。幅広い用途で需要が高まったとのことです。この分野の装置は前工程プロセスの種類にかかわらず使うので、どこ向けの製品が伸びたからというよりも、半導体市況全体が伸びると業績が良くなるといったイメージだと思います。

株価については、決算前に既に売上が良かったことがわかっているので決算直後は材料出尽くしで下げられることもあるかも知れません。

ちなみに、ウェハをサイの目(dice)に切ってチップ状にする装置なのでダイシング装置です。水を掛けながら丸ノコみたいなブレードでギュイーンと切ります。切り方が悪いとチップがボロボロになったりするので、結構なノウハウが必要な分野です。

研削・研磨装置というのは、ウェハを裏面から削って薄くして、削った面を磨いて滑らかにする装置です。ウエハメーカーから買った無垢の状態のウェハは結構厚みがあるのですが、製品に組み込むときは薄くする必要があるのでダイシングする前に削って薄くします。特にチップ表面から裏面に電流が流れるデバイスだと、電気抵抗を少なくするためにペラペラになるまで薄くするなんて製品もあります。これも結構なノウハウがいる分野です。

ディスコはしっかりとノウハウを持っているからこそ、シェアトップでいられるのだと思います。

 

4/23(金) *日本時間

IntelNASDAQ:INTC>

7nmプロセスの立ち上げに苦戦して、一時はCPU不足となったことも。2023年には7nmプロセス製品をリリース予定としています。プロセス立ち上げに苦戦していたことからほとんどTSMCに委託するのかと思いきや、「7nm製品の大部分は自社で生産できる」とCEOが1/21にコメントしました。

競合のAMDは自社工場持たずにTSMCで生産していることもあって先端プロセスを用いており、売上も伸ばしているのでIntelは厳しいのか?ここから巻き返せるのか?株価は米国時間4/16(金)の終値で$64.75、上昇中ですが決算受けてどうなるか見ていきたいです。

イビデン<4062>はIntel向けパッケージを手がけていますが、Intel連想で株価が反応する日本株もあるかも知れません。

 

※当ブログでは個別銘柄についての記載がありますが投資やその他の行動を勧誘、推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。