大阪有機化学の決算からも、半導体部材は回復傾向?

大阪有機化学が決算発表

大阪有機化学が、1/11(木)に2023年11月期 本決算を発表しました。ここはフォトレジスト(以後レジスト)原料以外にも化粧品原料など手がけていますが、まずは全セクターでの経常利益のこれまでの推移と今期(2024年11月期)見通しを見てみます。

これを見ると全セクターでの経常利益は今期横ばいです。個人的には物足りない印象で、株価は決算受けて下がるかと思いましたが+1円とほぼ変わらずでした。比較的地味な銘柄なので注目度が低くて無反応というわけでもなく、出来高は多めとなっています。

続いて週足を見ると、なんとなく26週移動平均線でグランビルの法則っぽい動きのような気もします。上がるとしたら上値余地はありそうなので、焦らずに今後の方向感を見定めたいと考えています

電子材料は増収見通し
次に、レジスト市況見通しの参考として電子材料セクターの売上推移と予想にフォーカスしてみます。

電子材料の売上は今期回復予想で、前期比+14%です。決算資料には「主力ArFレジスト用原料の販売は、下期に回復する予想」とあります。

 

東京応化も今期回復予想?

レジストメーカーの東京応化の市場予想売上も今期回復を見込んでいるようです。TradingViewにある市場予想売上は、前期比+11%となっています(大阪有機化学は+14%)。2/13(火)は東京応化の本決算発表予定ですが、今期見通しが市場予想を超えてくるのか気になるところです。ここは為替レートを大きめにマージンとった条件で見通しを出してくる傾向があり、いつも予想は控えめな印象です。ただし通期予想が弱くて株価が下がる展開になるなら…チャンスになる?なんて考えています。年後半までに上方修正に期待、という感じで。

レジスト需要が高まるなら…

大阪有機化学の予想通りに下期からレジスト原料需要回復、というのなら下記のような流れとなるでしょうか。

レジスト需要が回復(生産枚数が回復)
 ↓
ウェハや製造用ガス、洗浄剤などの前工程関連の部材需要回復
 ↓
後工程部材(リードフレーム、封入樹脂など)の需要回復
 ↓
半導体製品の需要回復
 ↓
電子部品の需要回復
 ↓
電気機器の需要回復

大阪有機化学の予想によれば、レジスト用原料の回復は下期(2024年6月以降)と半年程度先の話です。となると、まだ株価に半導体市況回復が織り込まれていないような、いわゆる出遅れ銘柄もあると思います。それらの買いシグナル発生有無をチェックして、少しづつ買っていこうかと考えています。とはいえ、あまり買いが早過ぎると出遅れっぱなしで資金効率が悪くなることには注意したいです。

 

半導体関連株は業績先取り早いが…

半導体関連株は上がるのも下がるのも業績をかなり先取るイメージがありますが、少なくとも業績ピークを迎えるまでは伸びるかな?と考えています。となると、これから業績回復する銘柄はまだまだ上値余地はあるかもしれません。

半導体関連銘柄と一言で表しても様々な分野があるので、業績回復タイミングのズレを意識して追ってみようかなと思います。

シリコンウェハ
・信越化学
・SUMCO

レジスト関連
・大阪有機化学
・東洋合成
・三菱ケミカル
・東京応化
・信越化学

製造用ガス、洗浄剤
・レゾナック
・三菱ケミカル

後工程部材(パッケージ関連)
・三井ハイテック
・住友ベークライト
・レゾナック
・イビデン

 

※当ブログでは個別銘柄などについての記載がある場合がありますが投資やその他の行動を勧誘、推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。