半導体製造装置の売上は4〜6月で底打ち?テスターも底堅い?

日米とも決算シーズン

先週は半導体製造装置のラムリサーチ(NASDAQ:LRCX)とSCREENホールディングス、半導体テスターのアドバンテストとテラダイン(NASDAQ:TER)の決算がありました。半導体不況が株式投資をしていない人達にも知れ渡っている現状ですが、各社の売上実績と今後の見通しを見てみると、そろそろ底堅いような印象を持ちました。以下、四半期ごとの売上実績と会社発表の見通しを見ていきます。

 

ラムリサーチ (LRCX)

米国の半導体製造装置メーカーで幅広い工程をカバーしており、市場規模がかなり大きいドライエッチング装置で高いシェアを持ちます。
四半期ごとの売上は前々四半期(23Q3)から大きく落ち込み始めて前四半期(23Q4)も続落となりました。今四半期の予想中心値を見ると回復しそうな内容となっています。会社側の予想はレンジで3.1〜3.7なので下限になると続落となりますが、それでも下落幅は小さく底堅いように思います。

 

SCREENホールディングス

ここは洗浄装置で高いシェアを持ちます。
前四半期(23Q1)の売上が大きく落ち込んでいますが、今四半期の予想は回復見込みとなっており会社側の予想通りとなれば23Q1(4〜6月)が底だったということになります。

 

アドバンテスト

半導体テスターの大手です。以前は米国のテラダインとシェアを二分していましたが、売上見ると現在はシェアトップかと思います。
前四半期(23Q1)の売上は相当大きく落ち込んで市場予想の半分にも届かなかった様子ですが、今四半期の予想は回復傾向となっています。

 

テラダイン  (TER)

米国の半導体テスター大手で、最近はアドバンテストにシェアを取られているようです。
売上は、アドバンテストとは対照的に昨年からジリジリ下がっていますが、前四半期(23Q2)は盛り返したようです。今四半期の予想中心値は横ばいとなっています。決算資料には「NAND、DDR5、HBM DRAMのテスト需要が強い」とコメントありました。

 

前工程製造装置は底打ち?

ラムリサーチ、SCREENは前工程(ウェハ工程)製造装置ですが、これらは回復が見えてきたのでしょうか。この後の東京エレクトロン決算(8/10)や、少し先ですがアプライド・マテリアルズ(AMAT)の決算(日本時間8/18早朝)の参考になるかもしれません。

 

テスター需要増はもう少し先?

テスターも底堅い印象で将来的に生成AI需要がありそうですが、AI向け製品のテスト仕様が決まってテスター需要に反映されるのはもう少し先になるのかもしれません。

 

半導体関連銘柄といっても色々

半導体製造装置だけ見ても前工程(ウェハ工程)、後工程(ダイシング、パッケージング、テスティングなど)とありますし、材料関連も様々、半導体製品メーカー、半導体商社と色々あります。東洋経済からで出ている業界地図では「半導体(製品メーカー)」、「半導体製造装置」、「半導体材料」と分けられており、海外企業も網羅されているので半導体関連への投資に参考になるかと思います。最新の2024年版が8/23に発売予定となっています。

 

今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。

※当ブログでは個別銘柄についての記載がある場合がありますが投資やその他の行動を勧誘、推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。