JSRがJICに買収?半導体関連銘柄のショートは怖いかも?

JSRがTOBされる?

土曜日のニュースで驚いたのは、JSRを産業革新投資機構(JIC)が1兆円規模で買収検討というものでした。これは今の時価総額+48%程度のプレミアムです。会社側からは「6月26日(月)開催の当社取締役会に付議する予定」と出たので続報を待ちたいと思います。

官民ファンドの資金が入るというと、ジャパンディスプレイやルネサスエレクトロニクスの時のように経営が厳しい状態でのことかと思いきや、JSRは先期厳しかったとはいえ黒字企業です。1957年の設立時は半分国営企業で、1969年に完全民営化した歴史があるとはいえ、あまりにも意外で驚きました。

ルネサスエレクトロニクスは今年2月に、ディスカウントTOBで旧産業革新機構(INCJ:JICの子会社)から株式を買い取ってINCJの持株比率を下げていましたけど、これとは逆の印象です。

 

官民ファンドのTOBは続くのか?

骨太の方針として国が半導体事業に出資していく方針が明確化したように思えるのですが、そうなるとTOBはJSRというピンポイントで終わらないかも?と考えました。

設計、設備、材料…これを国が一通り揃えてくるのでしょうか?

設計はルネサスエレクトロニクスがINCJの持株比率11.4%あるとして、設備と材料あたりはどうなるのでしょう?ひとまず下記のような銘柄の動向を見ておきたいと思います。

設備
・東京エレクトロン
・SCREENホールディングス
・アドバンテスト
・東京精密
・ディスコ

材料
・信越化学
・SUMCO
・東京応化
・レゾナック・ホールディングス
など

また国策の半導体企業といえばRapidus(ラピダス)がありますが、こんな感じです。

Rapidus株式会社
・会長:東京エレクトロン出身
・社長:日立製作所出身
・工場建設場所:北海道千歳市

日立は半導体事業をルネサステクノロジ(現:ルネサスエレクトロニクス)とした他、半導体材料も手がける旧:日立化成をレゾナック・ホールディングス(旧:昭和電工)に売却しています。

また千歳市というとSUMCOの工場がありますが、国はこのあたりの連携を強化したりするのか注目しています。

 

半導体関連のショートは怖い?

フォトレジスト業界でのロングショートとして、東京応化をロング(買い)、JSRをショート(空売り)とかやっていたら大変なことになっていました。こう考えるとショート側に半導体関連を組み込むのはリスク高そうかなと思います。皆がそう思ってショート外してくる展開があるのか?注視していきたいと思います。

 

今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。

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