2023年は、4年前のメモリ不況からの復活をなぞれるか?

記載銘柄:マイクロン・テクノロジー、東京エレクトロン

 

2018、2019年はメモリ不況だった

最近はメモリの在庫が膨大で、米国メモリ大手のマイクロン・テクノロジーの業績がかなり厳しい状況となっています。半導体製品でもメモリ需給は波が激しいのですが、4年前の2018年後半から2019年前半もかなりのメモリ不況期でした。ということで、今回は過去のメモリ不況の株価動向から、投資ヒントがないか考えてみました。

 

先のメモリ不況での株価と売上

下図にマイクロンの株価チャート(週足)と、併せて下段に売上を示します。2018年9月頃から株価が下落、売上も19Q1 (18年9〜11月期 ※マイクロンは8月本決算) 頃から急激に落ち込んでいます。株価が戻るまで1年ほどかかりました。

・売上の下落は1年程度で下げ止り

・株価は、同じく1年程度で回復

・株価回復の4ヶ月前には下げ止まり
 3ヶ月前から上昇傾向

これが、現在のメモリ不況でも当てはまるでしょうか。

 

マイクロンの現状

前述の売上げを見ると23Q1 (23年9〜11月期)の売上落ち込みが激しくなっています。この時期は年末商戦に向けて半導体需要が高くなる傾向ですが、それにもかかわらず大きく下落しています。スマホやPCが売れなかったというのもあるでしょうが、顧客が積んでいたメモリ在庫が相当あったのかなと推定しています。言い換えると顧客在庫が多めに消費されたのかもしれません。Q2売上予想の下落率が減速気味なのも、顧客の在庫整理が進んでいる見込みなのでしょうか。

 

23年3~5月頃に業績回復期待?
会社側は「23年下期(23年3~8月)には増収を予想」としています。またQ1決算発表時に更なる出荷削減を示したので、早ければQ3(3~5月)頃には顧客在庫の整理が終わり業績回復するのかもしれません。

 

株価は?
先のメモリ不況のように、株価が3~4ヶ月前に業績回復を織り込みにいくのなら、そろそろ下げ止まりが期待できるのかもしれません。今のところ、株価は22年9月の安値あたりが堅そうにも思います。メモリ市況回復まで更なる下落がないのか注目しています。

 

東京エレクトロンの状況も4年前に似ている?

メモリ不況となると、メモリ向け製造装置の比率が大きめ東京エレクトロンの株価が厳しくなる印象です。下図に先のメモリ不況時と現在のチャート(週足)を並べてみました。メモリ不況の始まり時期を合わせて見てみると、何だかチャートが似ているように思います。

・高値からほぼ半値まで下落

・ほぼ半値付近でRSIが30割れ、
 後にMACDがGC

現在は日銀のYCC幅の修正もあって、ほぼ半値をつけたあとの落ち込みは4年前より大きめの印象です。2月には決算発表もあるでしょうし、この先も上下あるでしょうが4年前のように上昇基調となれるのか?注目していきたいと思います。

そういえば、メモリ不況の終わりに近づいた2019年5月、東京エレクトロンは8.5%の自社株買いをしました。これは2015年以来の4年振りです。

今年は前回の自社株買いから4年目、メモリ不況で株価はピークからほぼ半値まで下落、なんだか状況が似ているようにも思えますが…どうなるでしょう。

 

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