記載銘柄:信越化学 <4063>
下落が激しい半導体株
FOMC通過して6/17(金)で下げ止まった様子の米国株と異なり、日本の半導体関連株は6/23(木)まで強烈な下げとなりました。やっと6/24(金)に値を戻し始めたところです。相場解説的には、米国金利が上げ止まり、原油など商品市況も下げ始めた様子ということでハイテク関連に買い戻しと言われていました。前々回記事で書いたように半導体関連は荒れる想定はしていましたが、6/17(金)以降もキツく下がるとは思いませんでした。特に信越化学は6/17(金)から6/23(木)までに10%も下落(6/17(金)終値:16,275円 → 6/23(木)終値:14,730円)となっています。
リバウンドある?チャートを分析
半導体の代表銘柄である東京エレクトロンも高値から同レベルで下落していますが、信越化学の方が典型的な下落時のチャートのように見えたので、今回は信越化学のチャートから今後のリバウンドについてテクニカル分析していきます。インジケーターにスローストキャスティクス、ボリンジャーバンド、RSIを用いて、ギャップ発生状況や出来高と合わせて見てみます。
なお、テクニカル分析については下記書籍を参考にしています。
ストキャスとギャップ
まずはスローストキャスティクスとギャップで見るポイントについてです。
ストキャスティクスについて
・株価が任意期間での値幅のどのあたりかパーセントで示す
・20以下で売られ過ぎ、80以上で買われ過ぎを示す
・早いライン、遅いラインのクロスを売買サインに用いる
売買シグナル
・買いシグナル
20以下で早いラインが遅いラインを上抜くゴールデンクロス(GC)
・売りシグナル
80以上で早いラインが遅いラインを下抜くデッドクロス(DC)
ギャップについて
ギャップ(窓)はチャート上で取引がなかった価格帯で、ローソク足がないところです。マーケットのテクニカル分析によるとギャップには3種類あります。
(1) ブレイクアウェーギャップ
重要な値動きの始まりを示す、出来高の増加を伴うギャップ。
(2) ランナウェーギャップ
ブレイクアウェーギャップの後に値動きが持続したあとに現れる価格の跳ね。
通常、トレンドの中間あたりで見られる。ブレイクポイントからこのギャップまでの距離を倍にするとトレンドがどこまで続くのか推定できる。
(3) エグゾースチョンギャップ
値動きの終わり付近で現れる。このあと数日でギャップ付近まで株価が戻る。
酒田五法でも「三空(ギャップ)叩き込み買い向かえ」とありますが、それと同様な認識です。以上を踏まえてチャートを見てみます。
チャート検証 (1)
ストキャスティクス
6/23(木)に20以下でのゴールデンクロスが発生し、ストキャスティクスの買いシグナル(StochLE)が出ました。なお、このシグナルはTradingViewに実装されているスローストキャス・ストラテジーを用いて表示しています。
ギャップ
ギャップは前述の3種とも現れているように見えます。ブレイクアウェーギャップ発生時に出来高も高めです。安値はブレイクアウトからランナウェーギャップまでの倍よりも安いところまで進んだようですが、下落トレンドの終わりを示唆しているように思います。
ボリンジャーバンドとRSI、出来高
続いてボリンジャーバンド、RSI、出来高の見るポイントについてです。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドの活用法としてボラティリティー・ブレイクアウト(終値が±2σを超えたらトレンドフォロー)がありますが、今回はマーケットのテクニカル分析に記載の下記活用法に沿って見てみます。
・株価が下のバンドで反発して移動平均線を上抜いたら上値目標値は上のバンド
・バンド幅が異常に広がった時はトレンド終了のサインであることが多い
RSI
RSIの値は0〜100をとり、70超えは買われ過ぎ、30未満は売られ過ぎとみなされます。ただし、30抜けたから買いとか、70超えたから売りというわけではありません。強いトレンド発生時には70超えても100まで上がったり、逆に30まで下落しても更に下げて0まで行くこともあります。売買シグナルの例としては下記があります。
買いシグナル
・中心値の50を上抜く
・30を抜けてから再び30を上抜く
売りシグナル
・中心値の50を下抜く
・70を超えてから再び70を下抜く
出来高
トレンド転換時には出来高を伴うことが多くなります。下落から上昇に転じそうなときに出来高があるかが見どころです。なお、出来高と株価の関係については下記書籍がわかりやすいと思います。
これらを踏まえて再びチャートを見てみます。
チャート検証 (2)
ボリンジャーバンド
-2σ超えてから、6/24(金)は終値で-2σ内側まで戻しました。バンド幅もかなり大きく広がっており下落トレンドの終わりが近いようです。ここから25日移動平均線まで戻すか?そこを超えたら+2σまでは伸びるか?見ていきたいと思います。
イメージ的には3月安値を付けた後と同様な動きになるかな?と考えています。
RSI
買いシグナル発生間近
(30以下からの上抜け)
※現状29.37と30直前まで戻し中
なお、信越化学のRSIが30以下となるのはコロナショック以来です。今回の下落インパクトの強さがわかります。
出来高
6/24(金)は出来高がコロナショック以来の高さ(MSCIなどのリバランス影響除く)であり、トレンド転換の期待が持てそうに思います。
まとめ
テクニカル的に下げ止まって上昇に転じそうな兆しが見えてきました。
信越化学以外にも、半導体関連は直近高値から20%ほど下げている銘柄があります。6月末は配当再投資で上がりやすいと言われることですし、週明けは大きく下げた銘柄のリバウンドを狙ってみるのもリスクが少なそうに思います。
今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。
※当ブログでは個別銘柄についての記載がありますが投資やその他の行動を勧誘、推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。