半導体製造装置関係の目標株価を引き下げ?
米国、日本ともに証券会社による、半導体製造装置関連についての投資判断の引き下げであったり目標株価の引き下げが出た影響もあるのか、株価の回復が緩いような印象です。特に半導体業界出身のアナリストさんとか人気なので影響力がありそうで。ただ内容を見ると、事実を示すにしても個人的にはちょっと思うところがありました(あくまで個人の感想です)。基本的にSEMI(国際半導体製造装置材料協会)がSEMICON West 2024 (2024.07.09)で発信した内容と同様なので悲観しなくて良いと思っています。SEMI会員のアナリストさんもいますから内容が同じなのは当然かもしれませんが。
たとえば…
「中国向けが減速」
この内容は正確度が高いと思います。この字面と目標株価の引き下げを合わせることで、各製造装置メーカーの売上は中国向けが大部分を占めている現状を踏まえて製造装置全体が減少するような印象付けを狙っているのかな?なんて思いました。
では、SEMI(国際半導体製造装置材料協会)はWorld Wideでの装置売上はどうなると予測しているでしょうか?
SEMIレポート
中国は2025年に投資が縮小する見込み
2024年はDRAM、HBMへの投資が伸びの要因で、2025年は先端ロジックおよびメモリアプリケーションの需要増によって大きく伸びると予想
前工程製造装置の売上予想
2024年:+2.8%
2025年:+14.7%
このように中国向けは減少するものの、2025年は2024年と比べて大幅に伸びるという予想です。ちなみに東京エレクトロンの決算説明会でも、中国向けが減っても他の地域が増えるという旨のコメントがありました。
「メモリーメーカーは本格的な投資に至っていない」
メモリーメーカーとはどこを指しているのでしょうか?確かにNANDは弱そうです。あえてNANDのメーカーと書かないのはDRAM投資も弱いと印象付けたいのかな?なんて思いました。NANDは需要が弱い一方で、DRAMは工場内でのスペース確保すら間に合わないレベルだそうですけど。
そもそも「本格的な投資に至っていない」として、今後どうなるかを示さないと株式投資の判断にはならないようにも思いますが…。
SEMI予想は下記です。これからも前述の内容は読み取れそうです。
DRAM向け装置売上予想
2024年+24.1%
2025年+12.3%
NAND向け装置売上予想
2024年:+1.5%
2025年:+55.5%
ちなみにロジック・ファウンドリ向けは下記のようにマイナスから二桁%プラスになる予想です。地域的には台湾かと。
ロジック・ファウンドリ向け売上予想
2024年:-2.9%
2025年:+10.3%
「事実や予測できることを述べている」+「目標株価を下げる」というのが…。今後発表される日本製半導体製造装置販売台数や、米国メモリーメーカーのマイクロンテクノロジーの決算発表などで、事実を確認していこうと考えています。
9/25(水)
日本製半導体製造装置販売台数(8月)
9/26(木)
マイクロン(米国)決算発表
なんにせよトレーダーとしては短期的な流れに乗り、長期目線での投資としては事実と株価の乖離にチャンスを見つけられたら良いかなと。
今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。
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