NVIDIA決算は良好でも…
8/29(木)早朝にNVIDIA決算発表があり、実績もガイダンスも市場予想平均を上回るという良好な内容でした。ただし株価は決算を受けて翌日-6.38%と下落、その翌日は+1.51%と戻し気味ですが、決算内容ほどの勢いは株価の動きに見られない様子です。
NVIDIAの株価が決算後に勢いがないというのは、AIを軸とした半導体需要が終わりに向かっているという訳ではなく、株価位置であったり需給によるものだと考えています。NVIDIAの業績が良いというのは誰もが予想しており、世界的に多くの人が既に買っていたと推定しますが、そうなると決算後に更に買う勢力よりも利益確定の売り勢力が優勢であったということかな?と。
NVIDIA利確→他銘柄?
NVIDIAが利確されたなら、NVIDIA以外の半導体関連株にとってはポジティブになりそうかなと思っています。というのは、NVIDIAに集中していた資金が他の半導体関連に回ってくるのではないかと考えているからです。
NVIDIA以外のSOX指数構成銘柄はNVIDIA決算以降に好調で、例えば株価が冴えなかったIntelはファウンドリ部門分割検討という材料を手掛かりに大きめに上昇しています。これは材料の良さもありそうですが、結局はNVIDIAからの資金循環を象徴する値動きではないかと考えています。
そのように仮定すると、ここのところ株価が冴えない半導体製造装置関連などにも資金流入が期待できそうにも思います。
アプライドマテリアルズ (AMAT)
例えば半導体製造装置の最大手であるアプライドマテリアルズ(AMAT)の日足を見てみます。8/30(金)終値では20日移動平均線をギリギリ越えており、来週続伸となるか注目しています。8/5(月)の直近安値が20営業日前なので、20日移動平均線としては安値が計算範囲から外れることで上向きはじめたところや、MACDもデッドクロス(DC)に至っていないというのもテクニカル的に良さそうに考えています。
ラムリサーチ (LRCX)
続いても半導体製造装置の大手、ラムリサーチ(LRCX)の日足です。こちらは20日移動平均線をギリギリ越えられていませんが、AMATに似たチャートで同様に回復できないかと注目しています。
東京エレクトロン
20日移動平均線に加えて、日本株で意識されそうな25日移動平均線も合わせて表示しています。AMATやLRCXよりもチャートが崩れている感がありますが、株価位置が20日移動平均線付近、MACDがDCしそうでしていないという点では似ているかと思います。日本は祝日の影響で暴落した8/5(月)は19営業日前ということもあり20日移動平均線は下向きの状態ですが、来週には横向き→上向きになれそうな印象です。
次に25日移動平均線を見てみます。日本株ではこちらが強く意識されそうで抵抗線のように見えます。25日移動平均線が上向きになるのは後7営業日ほどと考えます(今後、株価が大きく下落しないという前提ですが)。ちょうどその頃、9/10(火)にAppleイベントで新型iPhone発表がありそうなのも気になりますが…。
SCREENホールディングス
こちらはかなり25日移動平均線が意識されていそうで、抵抗線になっていると言えそうです。ただし25日移動平均線まであと+1.2%程度なので、週末の米国株が好調だったことを踏まえると週明けにも上抜ける展開がありそうに思います。SCREENはPER=13.7と同業種の中でも割高感がなさそうなので(東京エレクトロン PER=24.9)、そのあたりがフォーカスされれば上値余地ありそうかな?と思っています。
まだ買う人がいるか、もう買う人がいないのか
NVIDIAの決算は良好でAI需要の高さを認識する内容でしたが、既に多くの人が株を持っているので更に買われるという展開が難しかったのかなと考えました。全員が買えるだけ買ってしまったら、もう誰も買えない=売るしかない、となるわけで。
誰かが買ってくるから株価は上がると考えると、「今後、多くの人が買ってくるであろう」という銘柄を先に買うのがポイントだと思います。
NVIDIAは決算後に下げたのでまた買われるかもしれませんが、現状では多くの人が既に手放していそうな、業績に対して株価が下がりすぎた半導体関連株に注目しています。NVIDIAと同様の半導体セクター内の銘柄に、NVIDIAで利益確定された資金が回ってこないかな?なんて。
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