半導体関連株のピークについて考えた

ブロードコム決算で半導体関連が下げたが…

12月12日の米国市場では、ブロードコム決算を受けてSOX指数-5.10%と半導体関連が大きく下げました。12月18日早朝にはメモリ大手マイクロンテクノロジーの決算発表を控えており、ここの決算後の値動きも注目されると思います。

決算後などに大きく株価が下がると「AIバブル崩壊!!」と聞くのが恒例となっていますが、個人的には単純な利確であったりセクターローテーションによるものかなという印象を持っています。下図はブロードコムの月足(縦軸対数表示)です。48ヶ月移動平均線と乖離率を示していますが、さすがにここまで上がったらどこかのタイミングで利確されるのは自然なことかなと。

 

AI関連が暴落するまでAIバブル崩壊!と言い続けるのは、雨が降るまで雨乞いして「雨乞い大成功!」というのと同義と思っています。私も、シリコンサイクルが避けられないようにAIバブル崩壊といわれる時がいつか来ることには同意ですが、それはいつ頃かな?というのを考えてみました。

 

2026年後半あたりを警戒?

300mmウェハ向け半導体製造装置投資額のSEMI予想を示します。半導体製造装置の投資額は2028年まで伸びる予想ですが、2027年に変化率がやや落ちるのが気になるポイントです。

2027年の設備投資額をTSMCが発表する2027年1月頃、前年との変化率が鈍化したあたりでピークアウトと騒がれて株価下落というシナリオを警戒しています。TSMCの設備投資額発表の数ヶ月前から織り込み始めることを想定すると2026年後半あたりを警戒しておきたいと考えています。

なお、2029年は前年比マイナスという予想です。まだ先の話なので正確度には疑問符が付かざるを得ないのですが、いわゆるシリコンサイクルを考えると、いつかは前年比マイナスになる年が来ることは宿命として避けられないでしょう。

 

では2026年の初めは?

TSMCが2026年1月には2026年の設備投資額を発表すると思います。SEMI予想からは前年比増額で変化率も増加しそうと推察しますので、半導体製造装置の株価にポジティブになりそうかな?と思っています。通期業績予想を出している各装置メーカーは、売上が2026年度に一部期ズレして売上計画を見直ししたりしていますので、その分2026年4-6月期あたりには期待したいとも考えています。ただし、そのあたりで前述のようにピークアウトを意識した人達が出てくるのか?注視していきたいです。

 

半導体製造装置の株価は業績の先取りが早い

株価は業績を先取りすると言われたりしますが、半導体製造装置は業績絶好調で下がり始めたり、業績絶不調で上がり始めたりする印象があります。2026年初めにTSMCの設備投資額が過去最高!AI需要でスーパーサイクル突入!と言われるようなら、そしてそれ以降に例えば東京エレクトロンなどの株価が48ヶ月移動平均線との乖離率(チャート下段)で120%とかになる展開があるなら、かなり警戒したいかなと。

逆に言うと、そうなるまでは…?

 

今回は以上です。読んでいただき、ありがとうございました。

 

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